今年の1番の名言は、朝ドラの「寅ちゃん」!名言グランプリでふりかえる2024年
2024年は「名言」の年でした。大リーグ史上初の50-50を達成した大谷翔平選手の名言!パリ五輪で金メダルを手にしたレスリング男子・樋口黎選手の名言!ヒットした朝ドラ『虎に翼』の名言!などなど、明日への希望を感じさせる宝物のような言葉が、たくさん集まりました。年間300以上の名言を収集する「伝え方研究所」が、この1年をふりかえり、特に素敵な10の名言をノミネート。ジャーナリストの田原総一朗さんら計7名の審査によって決まった、「今年もっとも素晴らしかった名言No.1」を発表します!(構成/杉直樹) 【この記事の画像を見る】 ● 「名言グランプリ」2024年のグランプリに輝いたのは?! 今年、もっとも素晴らしかった名言を決める「名言グランプリ」。2017年に始まり、今回で8回目となります。 2024年のグランプリは、ジャーナリストの田原総一朗さんら計7名による審査を経て、 「理想は掲げ続けなきゃただのゴミくずですよ」 という名言に決まりました。日本で初めて女性弁護士となった人物をモチーフにした朝ドラ『虎に翼』で、主人公の佐田寅子(伊藤沙莉さん)が放った言葉です。 この8年間で、言葉を発信する人の数は激増しました。スマホを持つ人の割合は、2017年は単身世帯で約40%だったのが、近年は90%近くに。SNSを利用する人の数も、年々増えて、2022年に1億人の大台を突破しました。 だれもが言葉の発信者となったことで、私たちはいわば「言葉の洪水」にさらされるようになりました。名言グランプリは、人類を前に進める宝石のような言葉だけを探しだし、本来の言葉の力を見つめ直そうとする取り組みとして、スタートしました。言葉にゆかりのある人や、経済界で活躍する人たちなどを中心に構成される審査員が、毎年、熟議をかさねて決定し、表彰することにしています。 2024年は、各種メディアから300以上の名言が集まり、10のコトバがノミネートされました。ことし審査員を務めたのは、ジャーナリストの田原総一朗さんをはじめ、幅広いバックグラウンドを持つ次の7名です。 ■田原総一朗さん(ジャーナリスト) ■山口真由さん(信州大学社会基盤研究所特任教授) ■堀江貴文さん(実業家) ■坪田信貴さん(坪田塾塾長) ■田中里奈さん(プロデューサー・モデル) ■土江英明さん(ダイヤモンド社編集者) ■佐々木圭一さん(『伝え方が9割』著者) それではここから、今年、発表された10の名言をご紹介します。 ● 【グランプリ】 「理想は掲げ続けなきゃただのゴミくずですよ」 ――佐田寅子(伊藤沙莉さん)(ドラマ『虎に翼』第67話より) 日本で初めての女性弁護士、のちに裁判官となった主人公を描いた朝ドラ『虎に翼』。 近年の朝ドラでも指折りのヒットを記録した理由の一つは、戦後の「不自由」な世の中にあって、夢や希望を信じ続けた主人公の前向きな姿勢が多くの人の共感を呼んだ点にありました。 「理想は掲げ続けなきゃただのゴミくずですよ」 このセリフは、「現実をちゃんと見ろ、理想ばっかり追いかけるな」との同僚の声かけに対して、主人公・寅子が怒りを抱きながら発した言葉でした。 審査員のコメントをご紹介します。 田原総一朗さん(ジャーナリスト) 「言葉の通りだと思います。現代でも通じる言葉で、いまは特に若い世代が、理想を抱かないのが問題になっている。去年、大学4年生に『どういう企業に入りたいか』と尋ねたところ、1位は倒産しない企業、2位が給料の良い企業、そして3位は残業しない企業。つまり、『何がしたいか』がないんですね。 これは、日本の教育がよくない。教育というのは、1回しかない人生、なにがしたいか、人生をかけて何をしたいか、これを見つけさせるのが役割だと思うけれども、今の日本の教育は全くそれができていない。逆に、『何がしたいか』を言っちゃいけないと思っている。日本の教育は、そういうことを教えちゃいけないと思うんですね。そういう問題を思い起こさせる言葉だと思います」 堀江貴文さん(実業家) 「私もまさにこの言葉の通りだと思っています。逆に、理想を掲げないで生きるとかって、あんまり意味ないんじゃないかと。あのドラマは、実際に理想を掲げ続けて世の中を変えてきた人のお話なので、非常に重みがあるなと思いました。 理想を掲げ続けても、周りは批判し続けてくるんだけど、批判するやつは何も考えてないんです。あとは、簡単なことではありませんが、自意識過剰になっていなければ、他人に言われることや世間的な評価は、気にする必要がなくなると思います」 つづいて、第2位には、ドラマ『極悪女王』の言葉が選ばれました。