「人ってね、跡形もなくなると未練も何もないの」――故郷・大槌町を撮り続けたアマチュア写真家の10年 #あれから私は
「あとは、少しでも興味があるなら、この町で起きた出来事、そして復興の様子をその目で一度確かめに来てもらいたいね。私は大槌町が大好きだから、それが何よりも嬉しい。写真集のタイトル『がんばっぺし』は大槌町の方言で“共にがんばろう”って意味なの。皆で力を合わせてがんばってきた今の大槌町を、ぜひ見てもらいたいね」
我々にパシャッとシャッターを切って、伊藤さんは笑った。 --- 伊藤陽子さんプロフィール アマチュア写真家。2011年9月、自身初となる写真展を開催。2012年3月、写真集『がんばっぺし大槌』を上梓。日本各所および海外(アメリカ、ドイツ)での写真展開催や、町を訪れた人への町案内などを通じて、大槌町の被災状況を伝え続けている。2021年3月7日(日)~3月14日(日)、大槌町「シーサイドタウンマスト」1階で「東日本大震災 岩手県大槌町写真展」を開催予定。 阿部万里英 1991年7月31日生まれ。カナダ・トロントへ留学し英語を習得。ニューヨークで出版社のインターンを経験し、帰国後ハースト婦人画報社『MEN’S CLUB』『COSMOPOLITAN』誌でのアシスタントを経てフリーライター&翻訳家に。Yahoo!ライフマガジン、FINE、FUKROO、rakraでのライティングのほか、著名人へのインタビューや記事翻訳を手がける。