アップルの新MacBook Proの実機を解説、エントリーモデルも高機能で「AI時代」の製品構造改革へ
前述した通り、今回発表されたモデルから、ユニファイドメモリの最低搭載量が16GBからになっている。おそらく、Apple Intelligenceでメモリも消費するのだろう。従来やっていた作業を問題なくこなしながら、Apple Intelligenceも動かすために、メモリ搭載量を増やしたのではないかと推測できる。 ■同価格でもさまざまな機能追加 アメリカでは、この「一番安いMacBook Pro」の価格は長らく1599ドル。そして今回、円安の進行が止まっているため、円ベースの価格も前回と同じく24万8800円となっている。
全モデルと価格は同じなわけだが、実は底上げされているのはメモリだけではない。 値上げができないからと、価格は同じまま牛乳が1Lから900mLに量が減らされているようなことを「ステルス値上げ」と言うが、それに倣えば今回のMacBook Pro M4は「ステルス値下げ」といってもいい。 最安モデルのチップセットのCPUは前モデルのM3では高性能コア4、高効率コア4の8コアだったが、M4では高性能コア4、高効率コア6の10コアになっている。メモリの搭載量は最低で8GBから16GBになったが、最大搭載量も24GBから32GBに上がっている。
パフォーマンスは向上しているのに、高効率コアが増やされたせいか、最大駆動時間は22時間から24時間になった。バッテリー駆動で24時間も動作するのだ。あきれるほど長い。1日8時間労働で使うなら、3日も電源につながなくてもいいのだ。今回そんなに長い時間駆動させる余裕はなかったが、バッテリーの減り具合からしてもこれは誇大表現ではない。2時間や3時間使ったぐらいでは「減らない」と感じるほどバッテリーの持ちはいい。
さらに、カメラは1080pから1200万画素の超広角カメラになった。この超広角カメラは、iPhoneの0.5倍と同じ画角を持っているけれど、FaceTimeなどではその一部をトリミングして使う仕組み。話者が動いても自動的に追従するようにフレーミングする「センターフレーム」機能を持つ。 つまり1200万画素を常時使っているわけではないが、それでも従来モデルより美しい画像を提供できる。アップル製品の、写真・動画の安定したクオリティはご存知の通りで、一般的なWindowsパソコンよりかなり画質は良い。アップル製品を使う人とビデオ会議をすれば、そのクオリティはわかるはずだ。