アップルの新MacBook Proの実機を解説、エントリーモデルも高機能で「AI時代」の製品構造改革へ
これらの2点から考えて、今回のM4アップデートは幅が大きく、特に無印M4のお買い得感が高くなっている。 ■従来のMacBook Pro最下位モデルと違う これまで、MacBook Proの最下位モデルは、あまりお勧めできない製品であることが多かった。 特に13インチのThunderbolt×2ポートだった時代は、MacBook ProのボディにMacBook Airを入れた(が価格は少し高い)ような商品だったので、「名ばかり」なProだった時代が長かった。
しかし、今回のMacBook Pro M4は違う。 M4プロセッサーの高性能化と、Apple Intelligence導入に伴う仕様の底上げによって、非常にお買い得なモデルになっているのだ。 ■無印M4でもAIに強い性能 Intel CPUを使っていた時代だと、下位モデルは本当に性能が低く、解像度の高い動画の編集や、3Dグラフィックスを扱うような仕事だと、コマ落ちが発生したり、待たされたりすることが多かった。
しかし、Mシリーズチップ世代になってから、性能向上は著しく、たとえ初代のM1でも一般的な人が使うレベルであれば、ストレスを感じたり、待たされたりすることはなくなった。またバッテリーの消費も少なく、発熱も少ない。 これまでベンチマークを取り続けてきたところ、Apple Siliconは1世代で15~20%性能が向上する。間をとって世代ごとに17.5%性能が向上してきたとすれば、3世代で性能は1.62倍になるということになる。これは、計測データとおおよそ合致する性能だ。
つまり、M4世代は、M1世代のおよそ1.6倍の性能を持つということだから、これはかなりの性能向上であることがおわかりいただけると思う。 それだけではない、アップルはApple Intelligenceの導入を決めてから(ハードウェアの性能に影響しているのはM3世代以降と思われる)、Neural Engineの大幅な増強を図っている。 そのことは、ベンチマークでも明らかで、Geekbench AIで計測したところ、MacBook Pro M4のNeural Engine性能は、MacBook Air M1のそれの、約1.46~3.15倍の数値を叩き出す。これは、今後増大していくApple Intelligenceでの処理に大きな影響を及ぼす話だろう。