「持続的発展、新たな成長に向け、舵を切る契機の年に」大野元裕埼玉県知事インタビュー
「また、人手不足が深刻な物流分野については、戦略会議のメンバーに物流業界とか消費者団体を入れた23団体で、埼玉の持続可能な物流の確保に向けた共同宣言などを行った。少しずつ成果は上がりつつあり、今では5割以上転嫁できているという企業が6割を超えた。ただ、埼玉だけでサプライチェーンが完結しているわけではないので、これを日本全体に広げるということで、日本商工会議所とか、連合や政府が埼玉モデルを広めてくれている状況になってきているので、先手先手の対応をしたい」
■災害、人口減見据えた対策
--少子高齢化という観点から見た街づくりについてはどう考えているのか
「人口減少、災害の激甚化、頻発化している両方を考えたときに、街づくりから進めなければいけないことというのは多々ある。例えば、高齢化、人口減少が進むと、子どもを育てる人がいないとか、高齢者の足がないとか、あるいは税収が減ることによって結果としてインフラの更新ができないとか、こういったことが出てくる。また、その街づくりをするときには災害を考える必要がある。そこで、こういった課題に街づくりから対応するということで、埼玉県では埼玉版スーパーシティプロジェクトに取り組んでいて、これは街づくりは本来市町村がやるべきものだが、コンパクト・スマート・レジリエントこういった3つの要素を兼ね備えた街づくりをするときに、県が市町村を支援するということで進めているもので、例えば、歩いていける街づくりなどになれば、お互いに見守ることができる、買い物難民ができないとか、そういったことに加えて、そこにスマートの要素を、スマートレジリエントの要素を入れることによって、そこにいると安心な街づくりができる。こういったさまざまなものを、それぞれの地域の特性に合わせてやっていただくということで、63の県内市町村のうち、現在このプロジェクトに46まで参加してもらえることになった。残りの17も意向としてプロジェクトに参加したいという意向が示されており、できるだけ早期に全市町村にエントリーをしていただきたいと思っている」