「持続的発展、新たな成長に向け、舵を切る契機の年に」大野元裕埼玉県知事インタビュー
「他方、地方自治体としては、石破首相は総裁選の時に地方創生を日本経済の起爆剤と位置づけた。地方の定義を含めてまだわからないところもあるので、新しい地方経済生活環境創生本部、ここでの議論を注視していきたい。それと、今、われわれが望んでいるのは、令和元年度の税制改正で、地域における税の偏在、あるいは子育て支援などへの影響などが令和元年度の税制改正の時に不足で国はこれを見直すと書いてある。当時の一番集中していた東京の徴収額は、当時の額を超えてしまっているので、こういった国の義務を法律に従って果たすべき時だし、子育てについては地域が競争するべきものではなくて、本来国が統一的に実施するべきもので、『こども基本法』にも明記されている。国がやるということについて、大臣などに直接要望していきたいと思っている」
■人手不足が喫緊の課題
--県内経済の動向をどうみているか
「県内の四半期経営動向調査を見ると、中小企業の経営は持ち直しの動きが多少ある。ただ、円安ドル高が進む為替水準の行方などに不透明感を感じているところも多いと思う。そんな中でも雇用の過不足感については、人手不足といっている企業の割合が4年連続で増加してきている。今までのように需要を喚起することのみが行政の役目ではなくて、実はサプライ(供給)サイド、生産サイドをどうしていくかということが課せられた課題だと思っている。県では令和2年に強い経済の構築に向けた県戦略会議、これは実は新型コロナウイルス対策で最初に作ったが、新型コロナの過度の経済対策で産官学金労がワンチームで議論できるという枠組みだった。今も続くが、そこで目先の労働生産性、あるいはその物価高対策にはやはり価格転嫁がいいだろうとなった。現在、価格交渉支援ツールというのを県のホームページで無料公開していて、中小企業が取引先と交渉するための、県としてのお墨付きというか、ツールを与えている。今、それが1421品目の中から選べるようになっている」