「持続的発展、新たな成長に向け、舵を切る契機の年に」大野元裕埼玉県知事インタビュー
「激甚化頻発化する災害危機も歴史的課題として取り組んできた。昨年1月1日に能登半島地震が起きたが、残念ながら災害は必ず起こるという前提のもとに対応を進めていく。われわれは埼玉版フィーマという警察とか消防、インフラ事業者など関係機関と連携し、地震や水害などそのシナリオごとに当てはめて、対応を作っていくのだが、現在、林野火災のシナリオに作成をしている。しっかりと県が主体でやっていくところだ」
■野党躍進は変化の景気
--昨年、10月に衆議院選挙があり、野党が躍進した選挙結果になった
「(派閥パーティー収入不記載事件を受けた)『政治とカネ』の問題に関心が集まり、結果として政治改革に道筋を示せなかったことが大きく響いた。他方、賛成する課題に対して未来へのビジョンを示せなかった野党も政権交代には至らなかった。これからの政権、石破茂首相には、『政治とカネ』、未来へのビジョンの両方が求められているんだろうというふうに思っている」
「こういった中でも、さまざまな課題がたくさんある。アメリカの大統領が変わるとか、朝鮮半島や沖縄の地震、豪雨などの対応もまだまだ必要だし、物価高騰対策もある。待ったなしの議論だと思っている。ただ、少数野党の国会ということは、多くの政党がこれまでと異なって、法案や提案をしたときに審議されるという環境もできているので、これは私は変化の契機としてしっかり捉えるべきだと思っている」
--国会では、所得税が生じる「年収103万円の壁」の引き上げ幅を巡り、議論が活発化している
「103万円の壁議論を契機に、いろんな議論を進めるべき時にきていると思っていて、103万円の壁単独ではあまり意味がなくて、税制全体であったり、年金であったり、保険であったり、働き方であったり、あるいは賃金上昇させるための人材育成であったり、こういった議論を全体として行うことによって、いい方向に進めていただきたい。県もその方向で考えている。いろんな議論をぜひ臨みたいと思う」