楽しいのはMTだけじゃない! スズキの新型「スイフト」はCVTも軽快&スポーティ 【試乗レビュー】
それでもやっぱりMTで操りたい!
新型スイフトには、1グレード(FFハイブリッドMXグレード)だけだがMTモデルがしっかりと残された。多くの販売台数は望めないけれども、「オートマは勝手に動くのが怖い」とおっしゃる高齢ドライバーや一部の好事家向けとして製造されていて、スズキの優しさの表れとも言える。MHEVのパワーはCVTモデルと同じ。装備的にはステアリングがウレタンだったり、ホイールデザインが鉄チン風アルミ(アルミ風鉄チンの反対)だったり、電動ではないハンドブレーキだったりするけれども、価格は200万円を切る192万2,800円に設定してある。 走ってみると、CVTより20kg軽いフロント荷重や、低速でも粘り強いMHEVの調教によって、エンストを気にする事なく街中をスイスイと走り回れる。信号などで停止するとアイドリングストップ機構が作動してちょっとドキドキするけれども、クラッチを踏めばすぐにエンジンが始動する。5速のシフトレバーは操作が軽くギアを入れやすい。ただしクラッチのミートポイントがわずかに曖昧なので、ギンギンのスポーツ走行が楽しめる、という感じでもないことに気がつく。 そうした面を求めるならば、「コレもちょっと試してみてください」と広報さんから試乗を勧められた現行モデルの「スイスポ(スイフトスポーツ)」が継続販売中だ。103kW(140PS)/230Nmを発生する1.4L直4DOHC16バルブターボに6速MTを組み合わせた車重970kgのスイスポの走りはやっぱり刺激的。ちょっと回転を上げつつクラッチをポンッと繋げてやれば、「キュキュッ」と前輪を鳴らしつつ元気に飛び出していく。 新型にスイスポの設定がまだないのが気になるところだけれども、スポーツ走行の性能はいまだに一級品。古いADAS(先進運転支援システム)系が気にならなければ、216万4,800円(8インチナビやドラレコなどオプション装備した試乗車は252万6,480円)で手にはいるこちらの選択もアリなのである。 SPECIFICATIONS スズキ スイフト ハイブリッドMZ|Suzuki Swift Hybrid MZ ボディサイズ:全長3,860×全幅1,695×全高1,500mm ホイールベース:2,450mm 車両重量:950kg 駆動方式:2WD(FF) エンジン:水冷4サイクル直列3気筒 総排気量:1,197cc エンジン最高出力:60kw(82PS)/5,700rpm エンジン最大トルク:108Nm(11kg・m)/4,500rpm モーター最高出力:2.3kW(3.1PS)/1,100rpm モーター最大トルク:60Nm(6.1kg・m)/100rpm トランスミッション:CVT 価格:216万7,000円 スズキ スイフト ハイブリッドMX|Suzuki Swift Hybrid MX ボディサイズ:全長3,860×全幅1,695×全高1,500mm ホイールベース:2,450mm 車両重量:920kg 駆動方式:2WD(FF) エンジン:水冷4サイクル直列3気筒 総排気量:1,197cc エンジン最高出力:60kw(82PS)/5,700rpm エンジン最大トルク:108Nm(11kg・m)/4,500rpm モーター最高出力:2.3kW(3.1PS)/1,100rpm モーター最大トルク:60Nm(6.1kg・m)/100rpm トランスミッション:5段MT 価格:192万2,800円 スズキ スイフトスポーツ|Suzuki Swift Sport ボディサイズ:全長3,890×全幅1,735×全高1,500mm ホイールベース:2,450mm 車両重量:970kg 駆動方式:2WD(FF) エンジン:水冷4サイクル直列4気筒直噴ターボ 総排気量:1,371cc 最高出力:103kw(140PS)/5,500rpm 最大トルク:230Nm(23.4kg・m)/2,500-3,500rpm トランスミッション:6段MT 価格:221万7,600円
文と写真=原アキラ