国際線機長2人、乗務前日にワインボトル3本を注文…JALに国交省が業務改善勧告
日本航空の国際線機長2人が乗務前日に過剰な飲酒をしていた問題で、国土交通省は27日、日航に対し、行政指導にあたる業務改善勧告を出した。2人の飲酒は規定量の約3倍に及んでいたが、当初は口裏合わせをして隠蔽していたことも新たに判明した。国交省は1月24日までに再発防止策を講じ、報告するよう指示した。 【写真】北の空を守る慶大卒の女性パイロット、F15戦闘機は「大空が自分のものに」
機長2人(59、56歳)が乗務したのは今月1日のメルボルン発成田行き日航774便(乗客乗員114人、ボーイング787―8型機)。2人は前日の11月30日午後2~4時、飲食店でスパークリングワイン1杯とワインボトル3本を注文するなど内規を超えて大量に飲酒した。翌1日早朝、ホテルなどでの検査でそれぞれアルコールが検出されたが、前日の飲酒量を申告せずに検査を複数回実施した。
メルボルン空港での飲酒検査の実施状況も不適切だったほか、現地社員からの報告も不十分だったため、日航の運航本部はこうした過剰な飲酒を把握できないまま、2人を同便で乗務させていた。
日航は「最終的にアルコール不検出を確認して出発したが、前日の飲酒状況からすれば欠航すべきだった」とし、11日から全パイロットの滞在先での飲酒を禁じている。
日航では4月、米南部ダラスの滞在先ホテルで男性機長が深酔いし、乗務予定の復路便を欠航させるトラブルを起こした。これを受け、日航は再発防止策の一環として、当面の間、すべてのパイロットと客室乗務員に対し、滞在先での「禁酒」を指示していたが、10月から「節度を持った飲酒」を認めていた。