「生きるって大変なこと」突然ステージ4のがんと診断 闘病半年のプロレスラーが“ありのままの姿”発信のワケ
日本の保険制度のありがたみを実感
――闘病生活は半年が過ぎた。 「1番最初はびっくりしましたけどね。ステージ1や2じゃなく、いきなり4と言われて。食道がんの末期。メスの入れようがない。化学療法しかない。いろんなところに転移しやすいというよりも、その時点で上半身の左側すべてに転移してたんですよ。それが小さくなったと思いきや、今度は頭に転移しちゃった。それでも食べなきゃいけない、飲まなきゃいけない。歩かなきゃいけない。人間、足から衰えていきますからね。スクワットもやらなきゃいけない。しんどいんですけど、今日10我慢できたら、明日は11以上のことができるようになっていますからね。今日10を休むことによって、7とか8とか6に落としちゃったら明日の体力が5以下になっちゃう。生きるって大変なことだと思います」 ――入退院を繰り返し、治療費の捻出も大変なのでは。 「都民共済と国民健康保険には本当にお世話になっています。こんなに充実したものはない、というぐらい素晴らしい制度。98年に病気した時は、その6年前に道場のすぐ近くに郵便局ができた。たまたま支店長と仲良くなって、保険に入ってもらえませんかと言われて入ったら、オールインクルーシブのがん保険だった。結局それが全部カバーをしてくれた。その後、10年は医療保険に入れなかった。議員になって保険のチラシがよく議員のポストに入っていた。都民共済は本部がサンシャインにあるんですよね。うちから近くて、一昨年、保険のセールスのママさんと大塚駅でお会いして、その場で入っちゃったんですよね。安いプランを2種類、子どもの生命保険を1種類、3種類の保険に入った。それで今回一部カバーされた。国民健康保険は高額療養費制度もありますし、日本の保険制度は世界から比べても優れた制度であると感じています」 □西村修(にしむら・おさむ)1971年9月23日、東京都文京区出身。90年、新日本プロレス入門。翌年の飯塚孝之戦でデビュー。2001年、藤波辰爾と組みIWGPタッグ王座を獲得。11年、文京区議会選で初当選。現在、4期目(無所属)。闘病と並行し、レスラーとしてリングに上がり、12・8FMWE神奈川・鶴見青果市場大会ではメインイベント出場が決まっている。
ENCOUNT編集部/クロスメディアチーム