処理水放出1か月…中国との溝深く? 国慶節で“人気の旅行先” 日本が消える“異例の事態”【#みんなのギモン】
日テレNEWS
福島第一原発の処理水の海洋放出開始から1か月が経過しました。放出に反発する中国との溝は、深まっているのでしょうか。 ●キャンセル続き…影響各所に ●食べて応援 ポイント還元 以上のポイントを中心に詳しく解説します。
■IAEA年次総会で日中“非難”の応酬 当初の演説原稿では中国に触れるところはなく…
処理水の放出から1か月が経過するなか、25日、IAEA=国際原子力機関の年次総会では、中国と非難の応酬がありました。 総会の中で、中国の代表は「核汚染水」という言葉を使い日本を激しく非難するとともに、「日本の無責任な行為を厳しく監視する長期的かつ効果的な国際的監視メカニズムを確立しなければならない」と主張しました。 これに対し、高市科学技術担当大臣は演説で「日本としては引き続き科学的根拠に基づく行動や、正確な情報発信を中国に対して求めていきます」と話しました。 高市大臣はさらに「事実に基づかない発信や、突出した輸入規制をとっているのは中国のみ」だとけん制し、その後、再び中国が反論するなど非難の応酬となりました。 高市大臣は、当初の演説原稿では中国に触れるところはなかったのですが、中国の演説を聞いて急きょ、盛り込んだということです。処理水について「他の国から否定的な意見は出なかった」とした上で、「中国は孤立感を深めていると思う」とも話しました。
■日本から輸入した水産物“67%以上減少” 日本料理店“今は我慢するしか…”
処理水の放出後、さまざまな場所で余波が広がっています。 中国が発表した貿易統計では、先月1か月間で日本から輸入した水産物の総額は日本円で約30億円となっています。これは、去年の同じ月と比べて67.6%も減少しているのです。 大きく影響しているとみられるのは、先月24日から中国で始まった「日本産の水産物の全面禁輸」です。今でも中国国内の日本料理店では、苦しい現状があります。 NNNが取材した上海の日本料理店「寿司割烹中村屋」では以前、日本の魚を使っていましたが、輸入禁止になってからは中国産をメインで使っています。 寿司割烹中村屋 中村文博さん 「日本人がやっている日本料理の店で日本の魚を使えないのは、自分としては嫌ですよね」 ――客足への影響は? 寿司割烹中村屋 中村文博さん 「50%以上減りましたね。予約したけどやっぱり海産物は食べない、キャンセルっていうのは意外と多いです」 店の人は、“今はとにかく我慢するしかない”と話していました。