処理水放出1か月…中国との溝深く? 国慶節で“人気の旅行先” 日本が消える“異例の事態”【#みんなのギモン】
■「国慶節」大型連休 “人気の行き先”常連の日本が…
処理水放出の影響は水産物だけではありません。 今月29日から来月6日までの8日間、中国では建国記念日にあたる「国慶節」の大型連休が始まります。その前日から帰省や旅行など国民の大移動が始まるとみられますが、その行き先にも処理水の影響が出てきています。 中国の旅行会社に取材すると「日本への団体ツアーは中止が相次いでいる」と話していました。また、現地では、中国メディアが「日本行きの旅行、キャンセル相次ぐ」と報道をしているそうです。 中国の大手旅行会社が発表したデータでは、今年の国慶節で人気の“海外旅行の行き先”として名前が挙がったのは、タイ・韓国・マレーシア・シンガポール・オーストラリア・イギリスなどとなり、毎年常連だった日本が入っていない異例の事態になっています。 旅行会社が一番人気になるとみているのが「タイ」で、それには理由があります。 タイ政府は、今回の国慶節に合わせて、中国人観光客の入国ビザを一時的に免除するという異例の政策をとっています。期間は25日からの5か月間です。 初日は、セター首相が空港で中国人観光客を出迎えるなど歓迎ムードに包まれたそうです。コロナ禍で落ち込んだ中国人観光客を呼び戻すことが狙いだということです。
■食べて支援 “復興の後押しに…”東京都の新たな取り組みは
日本国内では、水産業を応援しようという取り組みも広がっています。 東京都は来月後半から、水産物を食べて支援するキャンペーンを実施します。処理水の放出で風評被害が懸念される魚介類の消費を促して水産業を応援しようというものです。対象は、都内のすし店や鮮魚店で魚の食事・購入をする場合になります。 2次元コード決済で代金を支払うと、1回につき30%、最大1000円相当までポイントが還元されるという仕組みです。期間は来月後半から1か月半となっています。対象の店など詳細は後日、発表されるということです。 東京都はこの取り組みを通じて、被災地復興の後押しにつなげていきたいとしています。