もうクルマから降りたくない! 1990年代にオーナーを陶酔させた「唯一無二」のインテリアの国産車7台
6)トヨタ エスティマ(10/20系)
・生産期間:1990年5月~1999年12月 ・新車価格:249.8万~366.8万円 日本において「ミニバン」というキーワードが現在ほど一般的でなかった1990年5月にデビューした「天才タマゴ」こと初代「エスティマ」。当時、その斬新すぎるフォルムに驚いた人も多かったはず。 それは内装についても同じ。まるでコンセプトカーのような、センターコンソールが前面に張り出した曲線基調のインパネ、ゆったり座れるヘッドレスト一体型のシート(しかも、セカンドシートは回転してサードシートと向かい合わせになり対面シートにもできた!)。カップホルダーもなければファーストクラスのような豪華なシートでもないけれど、ワクワク感に満ちあふれた仕立てとなっています。
7)日産フィガロ
・生産期間:1991年2月~1992年12月 ・新車価格:187万円 パオのあとを受け継ぎ、日産の「パイクカー」シリーズの第3弾として1991年2月に発売された「フィガロ」。当時、増産に次ぐ増産で計2万台の限定生産にもかかわらず注文が殺到し、抽選販売になったほどの人気ぶりでした。番組が終了して10年経つ「笑っていいとも」の名物コーナー、「テレフォンショッキング」に出演していた女優さん(タレントさんだったかも)が、「私、フィガロ当たったんです!」と自慢していたことを覚えています。 このフィガロ、プロモーションに際して短編映画まで作られたのだから、予算と力の入れ具合が半端ではなかったことが分かります。白基調の内装、そして本革のシート、ボディと同色のインパネ、アイボリーのキャンバストップ……。このクルマのコンセプトである「日常の中の非日常」が、当時は車両本体価格187万円で手に入れられたのだから、当選した人は歓喜したに違いありません。
■運転中の視界に映るのは外装ではなく内装
自身の愛車を選ぶ際、外装のデザインが決め手になると同時に、内装も判断基準になっていることも多いのではないでしょうか。運転席に座っていて、常に視界に入ってくるのは内装、それもインパネやメーターパネル周辺が主です。内装のデザインや質感、色が決め手になっても何ら不思議ではありません。何しろ、運転中の視界に映るのは、外装ではなく、内装なのですから。
松村 透