ペット連れで避難 本当は同行可能でも…応援職員の認識に差、「白い目で見られないか心配」 日頃からできる備えは
長野市保健所の動物愛護センターと県動物愛護会長野市支部は30日、「ペットとの防災を考える」と題した講習会を市保健所で開いた。2019年の台風19号災害時にペットを連れての避難をためらった住民もいたため、防災の日(9月1日)を前に企画。同支部は日頃からの備えや避難所のペット受け入れ態勢の整備などを訴えた。 【写真】台風19号災害時に使われたペット専用のコンテナハウス
市保健所によると、台風19号災害時、市内の全避難所でペット同行が可能だったが、担当者は「応援職員が多く、対応を熟知していない状況があった」と説明。その後、市は避難所の運営マニュアルを改め、屋外での飼育場所確保などの留意事項を明記した。市保健所によると、基本的にペットはケージ内で避難住民と別の場所で飼育する。
同支部副支部長の関祐子さん(62)=長野市稲田=は、ペット用の組み立て式トイレなどが入った非常用バッグを紹介。災害時に猫が逃げないように携帯用ケースで運ぶ方法も実演し、「避難所では飼い主同士が話し合い、協力する関係づくりも大切」とした。
関さんは取材に、高齢者らが被災住宅でペットと長期間とどまることで、災害関連死につながるケースもあると指摘。「日頃から知り合いらと話し合い、長期避難時に預かってもらえる環境をつくることは、コミュニティーづくりにもつながる」と話した。
市民ら約10人が参加。同市柳原の女性(62)は「避難所に犬を連れていくと白い目で見られないか心配。市は、地区の訓練にペット同行を組み込むよう呼びかけるなど、同行できることをしっかりと周知してほしい」と求めた。