<独占インタビュー>オリックスの2冠投手、金子が語るCSへの決意と投球極意
ここで投げるために野球をやってきた
いよいよ明日11日からセ、パのクライマックスシリーズが「オリックス×日ハム」「阪神×広島」のカードで開幕する。CSでソフトバンクへの借りを返し18年ぶりの日本一を狙うオリックスのキーマンは、開幕戦登板が有力視されている金子千尋(30)だ。THE PAGEでは、今季16勝5敗、防御率1.98の成績で、最多勝、最優秀防御率の2冠に輝いたエースを9日、京セラドームで独占インタビュー。CSへの決意とピッチングの極意について聞いた。前後半の2回に分けて掲載する。 ――10月2日のヤフオクドーム。負ければソフトバンクの優勝が決まり、勝てば残り2試合で1勝すれば優勝できるという“世紀の一戦”で悔しいサヨナラ負けをしました。 「僕は、ベンチ裏にいました。悔しかったですね。こんなことを言うと失礼かもしれませんが、どうせ負けるなら自分が投げて負けたかった。そうも思いました」 ――前倒しで、その一戦の前日の楽天戦に先発していました。 「ずっと負けられない試合が続いていました。どっちで投げてもいいようにイメージしていましたが」 ――優勝は逃しましたが、入団10年目にしてのクライマックスシリーズが始まります。この時期まで“野球ができている”というのは、どういうものですか。 「これまでもすべてが真剣勝負ですが、後半戦に消化試合となってしまうと、どうしても試合への入り方が違ってくるという野球をやっていましたね。でも、今年は、始めから最後まで一瞬たりとも気の抜けない状況で野球ができています。こうなるために野球をやってきたんです。この経験は大きな財産になります」 ――楽しいものですか、しんどいものですか? 「こういうこと(優勝争いとCS進出)を予想してやっていなかった人は、しんどいでしょうが、僕は、こうなることを予想してきました。しんどさはありますが、やっと、こういう状況で、野球ができるという楽しみの方が大きいです」