作家志望のお笑い芸人・斉藤紳士さんと元祖カリスマ書店員の間室道子さんによる「極上の読書案内」。
1. 『鈍色幻視行』 恩田 陸 (集英社) 〝呪われた〝小説とその著者の謎を追う主人公が、関係者が集まる豪華客船の旅に参加する。「次々とスリリングな展開が押し寄せます」 2. 『黄色い家』 川上未映子 (中央公論新社) 17歳の夏、「黄色い家」に集った少女たちの危険な共同生活。「読んで感じたのは、お金は暴力だということ。後半は特に圧巻です」 3. 『掌に眠る舞台』 小川洋子 (集英社) 演じること、観ること、観られること。「舞台」にまつわる8編を収録。「観劇のライブ感に近い胸の高鳴りを味わえる1冊です」 4. 『ざんねんなスパイ』 一條次郎 (新潮文庫) 73歳の新人スパイが市長暗殺を命じられ……。不条理が連鎖するユーモア・アクション。「とにかく面白いのでぜひ読んでほしい!」 5. 『秘太刀馬の骨』 藤沢周平 (文春文庫) 幻の剣法探しを命じられた男二人の運命やいかに! 「絶品の活劇小説で、若いほうの男が嫌なやつなのに憎めないのが読みどころ(笑)」
物語の世界に入り込めば自分もその空間にいる気分に。
間室 読書って、慣れて面白くなってくるまでに少し時間がかかるんですよね。今のゲームやTikTokって、始まってすぐに面白いけれど、本は何冊か読まないと、自分がどういうものが好きかも分からないですし。 斉藤 でも物語の世界に入り込めば、本当にその空間に自分がいるような臨場感、没入感を味わえる。これは読書でしかできない体験だと思います。 間室 ゲームや動画は電気が止まれば終わりだけど(笑)、本は1冊あれば日が上ったら読める。定点観測や途中下車もできる、息の長い娯楽です。読書の面白さをもっと知ってもらうために、私たちも頑張らないと。 斉藤 僕もYouTubeで作品をどんどん紹介したいですし、小説も書き続けて、文学の世界に貢献したいです。 間室 とにかく「ノーブック、ノーライフ」ですからね!
文学がきっと好きになる、斉藤さんのYouTube解説。