JALと奄美瀬戸内町が共同でドローン運行会社設立。離島での住民向け輸送サービス開始
ヤマハ発動機の大型物流ドローンを使用
2024年2月29日、日本航空株式会社(JAL)は、鹿児島県大島郡瀬戸内町と共同で設立したドローン運行会社「奄美アイランドドローン」を通じて、奄美大島の瀬戸内町におけるドローンを活用した住民向けサービスを開始した。 【写真】ドローンによるサービス内容を図解などで見る このサービスでは瀬戸内町の二次離島(加計呂麻島・請島・与路島)を含む町域の地理と輸送物資の特性に適応するため、航続距離と積載重量に優れたヤマハ発動機製の大型物流ドローン「FAZER R G2」を使用する。平常時には医療関係品や日用品を定期配送し、災害発生時には孤立集落への緊急支援物資の輸送を行うなど、島の暮らしを支える住民向けサービスとして提供される。 JALは目視外遠隔操縦をはじめとして、高度なドローン運航管理や安全管理に係るノウハウを提供するほか、開業フェーズにおいては操縦者人材を派遣することで、安全・安心なドローン運航事業を支援するとともに、離島物流ドローンの社会実装モデルとして、奄美群島全体への拡大展開も目指していくとしている。
災害時には救援物資を輸送する
平常時は生活物流を船舶に頼る二次離島へ、医薬品や日用品の定期配達の一部を輸送する。また、防災・災害時には、被災状況把握にドローン空撮を活用する他、救援物資等を輸送することになる。災害時・平常時ともに、ドローン輸送は奄美アイランドドローンが「FAZER R G2」を用いて運航し、 平常時の運航体制をもとに、発災・緊急時の物資輸送要請に即応するとしている。 今後は、スマートフォンアプリを通じた被災情報、物資要請などの情報集約や、日用品配送のロジスティクス情報を一元化するなど、ドローンとデジタル技術を融合したICT連携を進めていく予定とのことだ。 ●瀬戸内町 住民向けドローン輸送サービス概要●(2024年2月現在) 【救援物資】防災・災害対応 発災時、孤立集落等における必要物資要請に基づき、防災備蓄品等の救援物資を緊急輸送。 古仁屋→被災地(例:久慈、西阿室地区) 【医薬品】地域医療の維持 薬剤師による患者様(与路島)への定期的な処方薬配達について、その一部をドローン輸送。 古仁屋→与路僻地診療所・患者様 月1回(木曜 午前) 【日用品】海上輸送による遅配・欠配を補完 給食食材)与路島、請島の小中学校への定期的な食材(生鮮食品含む)の配送について、その一部をドローン輸送。 古仁屋→与路小中学校 月4回(木曜・金曜 午前) 古仁屋→池地小中学校 月2回(木曜 午前) 新 聞) 与路島、請島への定期的な新聞(朝刊)配送について、その一部をドローン輸送。 古仁屋→与路島 購読者 月4回(木曜・金曜 午前) 古仁屋→請島 購読者 月2回(木曜 午前) ●奄美アイランドドローン 運航概要● 【使用機体】ヤマハ発動機製 「FAZER R G2」(1機) 最高速度:72km/h 搭載可能重量:15kg(貨物自動切離装置使用時) 飛行可能風速: ~平均10m/s 【運航ルート】 手安ヘリポート(古仁屋から北西に2.1km地点)⇔与路港(18km/片道, 約30分) 手安ヘリポート(古仁屋から北西に2.1km地点)⇔池地港(15km/片道, 約25分) 【運航形態】目視外・遠隔運航(衛星通信およびLTE使用)レベル3.5飛行