エコーやオーツカ、カンペールなど。セットアップでも気取らずに着こなせるシューズを紹介。
日本最古のシューメーカーが時流に寄り添って作った、 オーツカのスニーカー。
セットアップだけでなく、スーツスタイルにもなじむ工夫が凝らされたオーツカのドレススニーカー「HS-6009」。やや長めのノーズに象徴されるすっきりとしたシルエットは、足の形にフィットする細かいパーツを組み合わせることで洗練さを際立たせた。また、ソールがアッパーから張り出していないため、スニーカー特有のカジュアルなムードを打ち消し、ひとつずつ手作業で濃淡を付けるアンティーク仕上げがエレガンスを強調する。シャープなシルエットだが、足囲“EEE(3E)”でゆったりと履けるのもポイント。足裏のアーチをしっかりと支えるインソールに加え、野球やサッカーのスパイクのように足全体を包み込み、下から引っ張り上げるようなホールド感で、長時間履いても疲れにくい。快適な履き心地とドレッシーなルックスは、ビジネスシーンになじむのは言うまでもないが、装いのマナーに厳しいゴルフ場に履いて行く愛用者が多いというのもうなずける。 問/大塚製靴 03-6410-2760
ミニマルなデザインがスタイルとの調和を生む、 カンペールのスニーカー。
カンペールを代表する「ペロータス」ファミリーのなかで、最もシンプルなデザインが特徴の「ペロータス ソイエル」シリーズ。同シリーズの新作モデルは、余計な装飾を排したミニマルなデザインで、素材にはやわらかく通気性に優れたレザーを採用。高いグリップ力を誇るラバーアウトソールは、丸みを帯びたフォルムが端正なアッパーデザインに穏やかなアクセントを添えている。やわらかな「オーソライト」社製のフットベッドは、リサイクル素材で作られており、カンペールらしい環境への配慮が見て取れる。スタイルを選ばない汎用性の高さは、セットアップはもちろん、スーツスタイルのハズシとしても重宝するだろう。 問/カンペールジャパン 03-5412-1844
ブランド設立時の初代モデルを復刻させた、 ヴェジャのスニーカー。
環境に配慮した素材使いだけでなく、生産に携わるスタッフの労働条件を向上させるなど、ソーシャルグッドなモノづくりで人気の「VEJA(ヴェジャ)」。こちらは、2005年に発売された記念すべきファーストモデル「Volley(ボレー)」の復刻版。70年代のブラジルのバレーボールシューズを着想源としたデザインは、レトロクラシックなたたずまいがかえって新鮮な印象に。トウ部分のパーフォレーションやシューレース脇のギザギザのカッティングなど、繊細なディテールも見逃せない。また、原料の生産改善に向けて技術面と金銭面のサポートを受けた農家によって栽培されたオーガニックコットンをアッパーに採用。ほかにもインソールやロゴマーク、シューレースに至るまで、バイオベース由来やリサイクルマテリアルにこだわった。パーツごとに組成表示をすべて明らかにするなど、公明正大なスタンスが細部にまで徹底している。その揺るぎない信念が、足を通すだけで背筋をピシッと伸ばすような気持ちの良い高揚感に結び付く。 問/シードコーポレーション 054-282-2112 掲載した商品はすべて税込み価格です。 Photograph: Satoru Tada(Rooster) Styling: Hidetoshi Nakato(TABLE ROCK.STUDIO) Text: Tetsuya Sato
朝日新聞社