【全文】「無罪主張に絶句し泣き崩れた」大阪地検元トップ“性的暴行”事件 被害の女性検事涙ながらに訴え
元大阪地検のトップ・検事正だった、北川健太郎被告が部下の女性検事に対して性的暴行を加えた罪に問われている裁判。 ■【動画】女性検事会見「絶句し、泣き崩れた」性的暴行認めた上司の元地検トップが一転無罪主張 北川被告は10月の初公判で「公訴事実を認め、争うことはしません」と述べたが10日、新たに就任した弁護人が「抗拒不能であったという認識はなく、同意があったと思っていたため、犯罪の故意がない」として、一転して無罪を主張する方針を示した。 被害を訴える女性検事は11日記者会見を開き、これまでの経緯や無罪を主張する方針へと転じたことについて、時に涙を流しながら語った。 質疑応答を除いて、女性検事が語った内容の全文をお伝えする。 (フラッシュバックなどの恐れがある方はご注意下さい)
■「無罪を主張していることを絶句し泣き崩れました」「登校する子どもの前でも涙が止まりませんでした」
まず、きのう(10日)元検事正北川健太郎が自身が犯した準強制性交等の罪について、否認に転じ、無罪を主張していることを絶句し、泣き崩れました。 今の率直な気持ちを申し上げると、被害申告なんてしなければよかった。痛みをこらえながら自分ひとりで我慢すれば良かった。そうすればこんなにまで苦しい思いをさせられることもなかった。 家族を苦しめることもなかった。 検事としてのキャリアを失わずに済んだ。 一生懸命仕事をしている職員に悲しい思いをさせることもなかった。 信じていた同僚から裏切られ、信じていた上司から誹謗中傷され、検事総長らから疎まれることもなかった。 親しかった仲間と、楽しく仕事を続けられていたかもしれないのに、被害申告したせいで、私は自分の恥をさらしただけで、大切なものをすべて失ってしまった。 組織のトップから受けた性犯罪被害を訴えることが、これほど恐ろしく、これほどまでにひどく傷つけられることだなんて、思いもしなかった。 私はただ再び苦しんでいる被害者の方々に寄り添うことができる、検事の仕事に戻りたかっただけなのに。 きのう(10日)の弁護人の会見をそのような思いにとりつかれ、夜も眠れず、胸が痛み、息をするのも苦しく、今朝登校する子どもの前でも涙が止まりませんでした。