ラーメン官僚を唸らせる和歌山市の4軒!ご当地ラーメンも個性派も名店揃い
近年はご当地以外のラーメンを提供する店も
他方、近年においては、県外からのラーメン文化が和歌山市内へと流入し、「和歌山ラーメン」にカテゴライズされない1杯を提供する店舗も増加傾向にある。 例えば、「麺屋 丈六 キーノ和歌山店」は、大阪ミナミの実力店「麺屋 丈六」の2号店であり、今回紹介する「丸花」も、横浜のご当地麺「家系ラーメン」の専門店だ。2020年には、「麺屋みやび」という「二郎インスパイア」系を出すラーメン店もオープンしている。 このように現在、和歌山市においては、地域に昔から根付く「和歌山ラーメン」を出す店舗と、県外の影響を受けた「和歌山ラーメン」以外の1杯を出す店舗とが入り交じり、相互補完的に市内のラーメンシーンを盛り上げている状況だ。 さて、ラーメン事情についての説明はこの程度にとどめ、そろそろ、店舗紹介へと移りたい。 今回も、前回の京都市同様、メディアで何度も紹介されている超定番店は避け、最近私が和歌山市で食べ歩いた店舗の中から選りすぐった優良店をご紹介する。最寄り駅から若干距離がある店も含まれるが、公共交通機関と徒歩でアクセスできる店を中心に選定させていただいたので、市内観光との相性も良いのではないかと思う。気になったお店があればぜひ、立ち寄っていただければうれしい限りだ。
名店① ご当地和歌山ラーメンの代表格「丸三 中華そば」
ラーメン事情の解説の際、「今、和歌山市内では和歌山ラーメン以外のラーメンを出す店が増えつつある」と書いたが、さすがに、和歌山市の優良店の紹介で、「和歌山ラーメン」提供店舗にまったく触れないのもおかしな話だ。 というわけで、1軒目は、「和歌山ラーメン」の実力派店舗として、「丸三 中華そば」を取り上げたい。 同店は、1954年に創業した市内屈指の老舗。屋号に「丸」を付しているので、「車庫前系」だと思われがちだが、そうではない。1953年に創業した「井出商店」の親族が営む、「井出系」の店舗だ。
店舗の場所は、JR紀勢本線(きのくに線)・紀三井寺駅から約1.4km。JR紀三井寺駅は、和歌山市の玄関口であるJR和歌山駅から6分で到達可能。また、駅から店舗までは20分も歩けば辿り着けるので、地方の店としては決してアクセスが悪い方ではない。 「和歌山ラーメン」を提供する有名店の多くは、市内の繁華街に固まって存在する。「丸三」は、繁華街から離れた場所にあるのでそれらの店舗と比べれば、アクセスに労力を要するが、繰り出す1杯のクオリティの高さは、立地の不利を補って余りある。 「井出商店」、「アロチ丸髙」、「山為食堂」、「〇イ」、「〇京」などの鉄板・定番店を訪問済であれば、躊躇なくアプローチすべきだろう。