部員2人からのスタート、16年目で都大路初出場の水戸葵陵高校に密着! けがを防ぎながら能力高める「LTペース」とは
3年間、なるべく故障しない練習を
2018年の茨城県高校駅伝で6位となり、初めて関東高校駅伝出場を決めました。その後も関東高校駅伝には連続出場を果たしますが、なかなか全国の壁は厚いというのが現状でした。 その後、これまでは5年に1度の記念大会でのみ地区代表の増枠があった都大路が、今年から毎年地区代表が選ばれるルールに変更となり、より都大路行きのチャンスが広がりました。そして今年はエースの井坂光選手(3年)が北関東高校総体5000mで優勝を飾り、インターハイに出場。9月の記録会では14分11秒59をマークしました。 茨城県高校駅伝では優勝した水城高校に次ぐ2位。北関東と南関東の合同で開催された関東高校駅伝では8位。すでに都大路出場を決めている高校以外で北関東の最上位となり、都大路初出場を決めました。澤野先生のもとには、1週間で200件以上に及ぶお祝いの連絡があったそうで「通知が鳴りやまなかったです(笑)」と当時を振り返られます。 澤野先生の指導方針はとにかく無理をさせないこと。「3年間、なるべく故障をしないで練習を継続できるように指導しています」。練習でよく組み込んでいるのがLTペース(閾値走)と呼ばれるトレーニングです。「倒れ込むような激しい練習や、スピードをめいっぱい上げるような練習はしないです。追い込まず、余裕をもったペースで行っています。けがなく安全に能力を高めていけます」 澤野先生ご自身が学生時代、けがに悩み、走れない日々が続いたご経験から、生徒さんたちには無理のないペースでコツコツと練習を継続してほしいという思いがあるのかもしれません。 そのスタイルもあってか、大学で競技を継続する選手も多く、卒業後も自己記録を伸ばす選手が増えてきています。卒業生では、埼玉医科大学グループの倉田蓮選手、第101回箱根駅伝のチームエントリーには大東文化大学の小田恭平選手(4年)と日本大学の長谷川豊樹選手(2年)が入りました。在校生の皆さんにとっても刺激になっているようです。