街の漬物店がピンチ 『漬物』製造ルールの厳格化で 衛生基準に数百万円の設備投資「お金かかると無理~」 地域の漬物文化が存続の危機か
私たちの食卓に欠かせない「漬物」の製造ルールが、法改正にともない6月から厳格化されます。 ■【動画で見る】手作り漬物がピンチ「おばあちゃんの味が消えるかも」 法改正で廃業相次ぐか 製造ルール厳格化で保健所の許可が必要に 新基準に対応できない人も続出し、いま「漬物文化」の存続は危機にたたされています。
■6月に食品衛生法改正 街で漬物を売る人達の戸惑いの声「頭痛いんですわ、もう無理」
店頭に並ぶ多種多様なキムチ。 大阪・東成区にある、鶴橋商店街では、手作りキムチを求め、多くの人が集まります。 【堺市から来た客】「定期的に買いにきます。こういう『手作りキムチ』が買いたい」 【祖母と買い物で…】「昔からやっている、おばあちゃんのいきつけのところで買ってる。そういう文化の人いっぱいいる」 【漬物店に50年通う客】「味が違う、ここの食べたら、よその食べられへん」
しかし、店では「漬物の在り方」をめぐって戸惑いの声があがっています。 【漬物・味噌 平野商店】「間違ったことしてないのに、自分で漬けたらあかんって、そんなおかしなこと、腹立ってんねん」 実は食品衛生法改正により、6月からは漬物の製造ルールが厳格化、販売には保健所の許可が必要になります。 【マンボーキムチ西原政雄さん(81)】「それがいま、頭痛いんですわ。設備投資にたくさんお金かかると、もう無理だなと思って」
こちらのお店では、衛生基準をみたす為、数百万円かけて設備投資しました。 【金杏奈の手作りキムチ イ・ユンジさん】「6月まで間に合わせようと思って、場所を借りて、設備投資をいっぺんにした。水回りの整備、シンク台、換気の関係と…けっこうな金額になった」
■個人で漬物を販売している人にも 重くのしかかる設備投資の負担「お金もどっさりいる」
和歌山県・紀の川市で20年以上漬物づくりを続けてきた、田邨良子さん(77)。 田邨さんの漬物を見せてもらいました。 【田邨良子さん(77)】「きれいな色になってる。これ大根のぬか漬け。私の味じゃないとって人もいる、リピーターが多い。もう何十年もしてるさかいに」 ここ数年は、夫の公平さん(83)と2人で、大根や、きゅうり、なすなどの漬物を作ってきました。 【田邨良子さん(77)】「今まで届け出だけで済んだのよ。難しくなった、許可証(が必要)になった」