【一体何が…】高齢姉妹の財産『食い物』に…2000万円着服か 介護施設元社長“異常”な犯行の実態 自宅も売却され口座残高ほぼゼロ!
大阪市鶴見区の介護施設運営会社の元社長が、約2年間にわたり、施設を利用していた80代の姉妹から現金約2000万円を着服していたなどとして逮捕された事件。元社長の西影由貴容疑者(38)は、介護職という立場を悪用して姉妹から信頼させ、全財産を管理し、姉妹の口座の残高はほぼゼロ…。取材で明らかになったのは、高齢者を「食い物」にした異常な犯行の実態だった。(報告:泉達也・福島達朗)
■親族もいない80代姉妹…介護施設「金づかい荒いから管理してあげる」
「神様…むちゃくちゃ…」 事件発覚後、被害にあった80代の妹が、涙ながらに呟いた。 大阪市鶴見区の一戸建て住宅に住んでいた姉妹。警察や知人などによると、2人とも認知症はなかったが、特に姉は足腰が悪く、近くに頼れる親族もいなかった。2人は2019年1月ごろから、西影容疑者が運営する介護施設「りはびりぷらすDay Service」に通所し、入浴などの介護を受けていた。
「金づかいが荒いから、僕が財産管理してあげる」 介護福祉士の資格を持つ西影容疑者はそんな姉妹に言葉巧みに近づき、2021年春ごろから、姉妹の通帳やキャッシュカード、そしてクレジットカードを預かるようになったという。 事実上、姉妹の全財産を管理するようになった西影容疑者。2023年7月までの約2年間で、132回にわたり、計約2000万円を引き出したとして、業務上横領などの疑いで大阪府警に逮捕された。 事件が明るみになったとき、姉妹の口座に残っていたのはわずか数百円だったという。
■生命保険は解約、自宅も売却…「パン1枚を2人で」電気もなく熱中症で搬送
「手元に現金があったほうがいい」 そう言って、姉妹の資産を現金化していったという西影容疑者。姉妹が万が一の場合に備えた生命保険を解約させた。解約金は1200万円で、この他にも、2人が亡くなったときのために残していた葬祭用の費用約34万円、2カ月に1回の2人の年金も対象となった。 口座に金が入ればすぐに引き出し、また別の金が入ればすぐに引き出す―。西影容疑者はこうした着服を繰り返していたとみられている。 さらに西影容疑者は、姉妹の自宅を2021年6月に譲り受け、2023年には売却。これによって得られた約800万円を懐に入れたとみられるという。 姉妹はこの間も、あくまで西影容疑者が“善意”で財産を管理していて、「まさか介護施設の人が着服などしないだろう」と信用していたというのだ。