返済中の住宅ローン変動金利がいよいよ上昇! 銀行員が返済額の変化までの「タイムライン」と「試算」を解説
まとめ
ここまでの説明を整理すると、銀行など「5年ルール」がある場合には、5年刻みの残り年数(自分が返済から3年目経過しているなら残りは2年、返済から7年目経過なら残り3年)の間、返済額は変わりません。 しかし、金利はあくまで2024年12月から引き上げになり、返済額は変わらなくても金利が上昇して増えていることになります。 一方、ネット銀行など「5年ルール」がない場合には、金利上昇に応じて返済額は増えることになります。 ただし、以下のように考えることもできるため、どちらが良いか悪いかなどは単純に比較できないのです。 ・5年ルールがあると、金利上昇分の支払いは未来の自分に棚上げするので返済は変わらない ・5年ルールがないと、金利上昇で増えた利息を払うことになるが、金利支払いを棚上げはしていない 住宅ローン金利引き上げを受けて、「今後もローン金利は上昇するはず」「変動金利はやばい、早く固定金利にしよう!」といった報道やネット記事を見受けますが、これらはあくまで予想に基づくものであり、その内容はしっかりと検証する必要があります。 また、こうした報道に対して、「金利が0.1%程度上がっただけで払えなくなるなら、住宅ローンなんて借りなければいいのに」「自分は変動金利のリスクを知っていたから固定金利を選んで正解だった」など、さまざまな意見があります。 しかしこれらもあくまで個人的な見解です。「金利変動のリスクを許容することで、低金利のローンが利用できる変動金利」のメリットが消滅したわけではありません。 いずれにせよ、ゼロ金利解除から住宅ローン変動金利の引き上げという大変動が起きることは間違いない事実なので、確かな情報を把握して今後を考えていく必要があります。
加藤隆二