返済中の住宅ローン変動金利がいよいよ上昇! 銀行員が返済額の変化までの「タイムライン」と「試算」を解説
【ネット銀行】返済額増加のシミュレーション
ネット銀行は、ほとんどが独自基準の変動金利となっていて、新金利がすでに発表済みのところもあります。今後のタイムラインもそれぞれのネット銀行間で違いがあります。 ネット銀行の基本ルール ネット銀行は短期プライムレート基準ではなく、独自に変動金利の基準となる金利を定めているところが主流です。 メガバンクや地銀では、短期プライムレートをもとにした基準金利(店頭金利、店頭表示金利とも)に連動して金利が変動する形式が主流です。 今後のタイムライン 変動金利住宅ローンの今後は以下のような動きになっていくことになります。ネット銀行は金利見直しの時期や頻度などがそれぞれ異なるため、ここではソニー銀行発表の流れで解説しますが、基本的な流れはほぼ同じです。 新しい金利の基準日は2024年11月1日↓新利率の適用開始日は2024年12月返済日の翌日↓2025年1月の返済から返済額が変更になる(ボーナス月によっては別のケースも)↓新金利が適用された内容は、11月上旬頃に郵送される返済明細表で確認できる 上記のように「5年ルールや125%ルールがない」ネット銀行(SBI新生銀行、PayPay銀行、ソニー銀行)では、変動金利で基準金利に変化があると、時間をおかずに返済額が変わるところに注意が必要です。 ソニー銀行の住宅ローンでは、毎年5月1日、11月1日を基準日として年2回適用金利の見直しを行い、適用金利が見直される都度、返済額は変更されます。 変更後の返済額は、新金利適用日現在の元金残高、最終ご返済日までの残存期間、適用金利などにより、ソニー銀行所定の計算方法で再計算されます。 なお、ソニー銀行では、いわゆる「5年ルール」や「125%ルール」に基づく返済額の計算を行っていません。したがって、適用金利が上昇した場合には、その上昇幅に応じて返済額が見直されます。 引用元:ソニー銀行:【重要】住宅ローン金利の改定についていつから、いくら増えるかをシミュレーションで確認 では、実際に金利上昇の影響について、シミュレーションしてみましょう。以下のモデルケースで「10月1日から金利が0.15%引き上げ(0.6%→0.75%)になった場合の返済額の変化」を試算してみます。 <モデルケース> ・2017年9月に3000万円・変動金利0.6%・35年返済(ボーナス返済なし)で借りた ・2017年10月から返済を開始して84回支払済み ・2024年9月現在のローン残高は24,493,026円 ・2024年9月現在の毎月返済額は79,208円(このうち元金67,130円、利息12,078円) 図表2 【ネット銀行】返済額増加のシミュレーション 結論10月1日に金利が引き上げられ ↓ 12月の返済が終わった翌日から新金利になり ↓ 翌年1月から返済額が増える(利息が増えて元金が減る) なお、上記のシミュレーションは簡易的に計算したものです。金利引き上げ後の返済額や利息と元金の内訳などは、各銀行で異なるので返済明細表や専用サイトなどで確認が必要です。 金利引き上げと返済額の変化について3つのポイント ネット銀行の短期プライムレート基準の変動金利で、金利が引き上げになった場合のポイントは以下のとおりです。 (1)ネット銀行は5年ルールがないところが多いので、毎月返済額は変わることになる (2)金利引き上げ後の返済額は返済明細表など、自分で確認が必要 (3)金利が3%⇒5%⇒7%など急激に、しかも上昇を続けた場合には最終回までに利息を払いきれない「未払利息」が残る恐れがある このように、5年ルールや125%ルールがないので、毎回返済額は変わることになります。