「国民への説明責任を」非公開希望の自民23人に野党が批判 参院政倫審巡り攻防
参院政治倫理審査会(政倫審)を巡り、派閥パーティー収入不記載事件に関係した自民党の参院議員27人のうち23人が非公開での開催を希望したことに、与野党から6日、苦言や批判が相次いだ。野党側は公開を要求する一方、来年夏の参院選に向けて問題を長期化させたい思惑も透け、年内の決着は見通せない。 【写真】親指、中指、人差し指、「Vサイン」も…答弁求め方も個性的な石破茂首相 「非公開だと議事録なども閲覧ができない。果たして国民に対する説明責任を果たすことができるか」。6日の参院予算委員会で、日本維新の会の柴田巧氏は非公開での開催に疑問を投げかけた。 石破茂首相(自民総裁)は「無意味だとは思わない。本当に充実した中身のある審議がなされる運用を期待したい」と応じたが、柴田氏は「国民の最終的な納得につなげていかなければならない」と公開を訴えた。 政倫審は非公開での開催が原則だが、本人が了解すれば公開は可能だ。非公開だと「首相も内容を知るすべはない」(自民の佐藤正久政倫審筆頭幹事)ため、全員の公開を求める声は与党内でも根強い。首相も国民への説明責任を果たすよう求めてきた。 連立与党の公明党の見方も厳しい。西田実仁幹事長は6日の記者会見で「これだけ大きな問題になっているのに、(非公開で)果たして国民が納得するのか」と苦言を呈した。 臨時国会は21日に会期末を迎える。自民の石井準一、立憲民主党の斎藤嘉隆両参院国対委員長は6日、国会内で会談し、公開を希望・容認した4人の審査を臨時国会中に開催する方針を確認した。 だが、非公開を希望する23人の対応は先送りした。石井氏は記者団に、23人に関し「(公開希望の)4人の政倫審の動かし方によって気持ちの変化も表れるのではないか。良い意味で」と述べ、公開希望に転じることを期待した。 自民は年内に政倫審を終え、幕引きを図りたい考えだが、野党側は参院選に向けて問題を長期化させたいのが本音だ。野党側は年内に27人全員の審査を終えることは難しいとの認識を自民に伝えており、非公開を希望した23人の対応を巡り協議が難航する可能性もある。自民幹部は「野党は政倫審を開かずに参院選を戦いたいのが本音だろうが、必ず年内に決着をつけたい」と語った。(永井大輔)