米新規失業保険申請は減少、5月以来の低水準-労働需要なお健全
(ブルームバーグ): 先週の米新規失業保険申請件数は減少し、5月以来の低水準となった。ここ最近はハリケーンやストライキの影響が見られたが、今回の統計で労働需要がなお健全なことが示唆された。
南東部の複数州で2つのハリケーン襲来からの回復が進展したほか、米ボーイング従業員による数週間に及んだストライキが終了。そうした中で失業保険申請件数のデータはこのところ、通常より変動が大きくなっていた。現在の新規失業保険申請件数の水準は、過去2年間の平均を下回っている。
より変動の少ない新規失業保険申請の4週移動平均は22万1000件に減少した。こちらも5月以来の低水準。
季節調整前ベースでは失業保険申請は増加。州別に見るとカリフォルニア、ニューヨーク、ニュージャージーで増加が目立った。
一方、ミシガン州では大きく減少。サンタンデールUSキャピタル・マーケッツの米国担当チーフエコノミスト、スティーブン・スタンリー氏はリポートで、ミシガン州での申請件数減少について、自動車業界における一時帰休の波が弱まりつつある兆候だろうと記した。
ただ最近は大規模な人員削減も発表されている。ボーイングは約1万7000人を削減する方針を示したほか、日産自動車も世界全体で9000人を減らす計画を発表した。
ブルームバーグ・エコノミクスのエコノミスト、イライザ・ウィンガー氏は「11月に入りボーイングでのストライキが解決したことで、サプライチェーンの従業員が経験した一時的なレイオフなどは解消されそうだ」としつつ、「ただボーイングは来年1月半ばに約1万7000人を削減すると発表しており、これは失業保険申請件数の圧迫要因となる。ステランティスでの人員削減も合わせて考えると、失業保険申請件数は1月に急増し得る」と付け加えた。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:US Initial Jobless Claims Dropped to Lowest Since May Last Week(抜粋)