水道代が劇的に安くなる!~驚異の発明、節水ノズル
DG TAKANO躍進の秘密~水だけで油汚れが落とせる魔法の皿も
〇躍進の秘密1~「町工場発の技術力」 「バブル90」を製造しているオフィスの近くの工場は、もともとは高野の父・善行さんが経営していた町工場だった。DG TAKANOはその会社を吸収合併して技術を受け継ぎ、「バブル90」を作っている。 例えば「バブル90」を作るのに欠かせない複合旋盤器というマシン。 さまざまな工具がついていて、削ったり、穴を開けたりという作業をたった1台でこなせる。しかも精度は髪の毛より細い1000分の2ミリだ。
バブル90は7つの特許を取得していて、全国4万1000カ所で使われている。さらに価格を抑えるため、「今まで金属じゃないと作れなかったんですけど、プラスチックで簡易的に作ることができるようになった。できるだけたくさん普及させたい」(高野)と言う。
〇躍進の秘密2~「発明を生むデザイン思考」 この日、DG TAKANOにやってきたのは大手家電メーカーのシャープ。「我々も節水関係はいろいろな取り組みをしている。何か協業の可能性があれば……」と言う。自社の洗濯乾燥機について「給水した水を非常に微細な流形の水にして衣類に当てる。それで洗浄効果が高まる」と説明するなど、シャープが持つさまざまな技術をプレゼンした。 だが、高野はこう言う。 「お話を聞いていると、技術者が考えていることだなと。性能の話ばかり。性能については日本の会社はもういい。それ以外の部分が大事。日本のものづくりの会社は、技術者が何を作るかを考え、その下にデザイナーがいる。本当は技術者の上に設計のデザイナーがいないといけない、イーロン・マスクやスティーブ・ジョブズみたいに。(日本の会社は)上流デザインが抜けている」 高野曰く、多くの日本企業は、自社が持つ技術を使って何を作るかをデザインし、製品に仕上げる。一方、DG TAKANOは、世の中の課題をまずデザイナーが考え、それを解決するのに必要な技術を集め、ものづくりをするというのだ。 「僕の場合だと、環境問題や水不足を解決したいということがあって、それで生まれたのが『バブル90』です」(高野)