「知っていれば授かる可能性が上がる」ダイアモンド☆ユカイが男性不妊治療の経験を発信する理由 #性のギモン
「このまま人生が不妊治療で終わってしまうのではないか」という不安
――不妊治療を始めようと思ったきっかけはなんですか。 ダイアモンド☆ユカイ: 俺は妻に「君は健康体だし、俺と一緒じゃない方がいいんじゃないか。ファミリーを持てないよ、これじゃ」って言った。そしたら妻は「ユカイさんが子どもみたいな人だから、ユカイさんを子どもだと思って、これからも一緒にやっていきましょう」と言ってくれた。そんな前向きな妻の姿に勇気づけられて、俺は男性不妊について調べ始めたんだ。そして、男性不妊でも子どもを授かることができると知って「不妊治療に挑戦してみよう!」と思うようになったんだよ。 ――治療をしてみてどう感じましたか。 ダイアモンド☆ユカイ: 男性不妊の場合はまず男性の手術が必要で、精巣にメスを入れるわけだ。妻側の負担も大きくて、ホルモン注射をたくさん打つし、排卵日に向けて体のコンディションも整えないといけない。卵子を取り出すことも、受精卵を子宮に戻すこともすごく大変。 俺たち夫婦はそれに2回挑戦して、2回とも失敗したんだ。実際には2年間くらいのできごとだったけど、10年ぐらいやっている気分だったよ。「このまま人生が不妊治療で終わっちゃうんじゃないか?」と感じるくらい、日々追い詰められていった。肉体的な苦しみと精神的な苦しみ、そして今よりも治療にお金がかかっているから、金銭的な苦しみを味わうことになったね。 そんな状況だから、心の余裕もなくなり夫婦の関係もギクシャクしてくる。ある時、俺が映画を見ていたら、かわいい赤ちゃんが出てくるシーンが流れた。妻はやっぱり精神的にそういうシーンを見たくなかったんだろうね。機嫌が悪くなって、離婚の話まで発展するほどの大喧嘩になった。 そういうことが重なって、俺たちは一度不妊治療を諦めた。これからずっと人生が不妊治療になって過ごすより、2人で温泉に行ったり、映画を見たり、そういう人生もいいんじゃないかって。 でも妻の年齢が35歳に近づいた頃、妻から「もう一度だけ挑戦したいです。不妊治療のスペシャリストがいる北九州の病院に行って、最後の挑戦をさせてください」と言われた。不妊治療にまた挑戦するとなると、俺は再び精巣にメスを入れなきゃいけない。でも、俺より大変な思いをすることになる妻がそこまで言うならと、北九州の病院に向かった。その結果、なんと子どもを授かることができたんだ。本当に予想していないサプライズだったね。だから妻には感謝してるよ。本当にすごい人だって今でも思ってるよ。