新卒は忘年会の宴会で「一発芸」をすることになっています。雇用契約にないはずですが、断ってもいいですか?
年末にかけて、忘年会を行う会社も多いのではないでしょうか。その際に、新卒の社員は宴会で一発芸を披露することが恒例になっている会社もあることでしょう。 「新卒の社員は宴会で一発芸を披露しなければならない」と雇用契約で定めていなければ、断っても問題はありません。しかし、恒例の行事であれば、断ることで今後の上司や先輩、同僚たちとの関係性が悪化するケースもあり得るため、判断は慎重に行ってください。 本記事では、忘年会の宴会で行う一発芸を断っても問題ない理由をはじめ、断るための適切な言い訳について解説します。
忘年会の宴会で行う一発芸とは?
忘年会で行う一発芸は、その場の雰囲気を盛り上げるために行われます。会社員としての対応力を把握したり、新卒の社員の自己紹介なども兼ねたりして、恒例とするケースが多いです。一発芸とはいっても簡単なものから難しいものまでと幅広いですが、一般的かつ比較的取り入れやすいものは以下のとおりです。 ●ものまね ●マジック ●替え歌 ●漫才やコント 新卒の社員が自分以外にも複数名いる場合は、どんな一発芸をするか話し合っておくといいでしょう。
雇用契約になければパワハラと見なされる可能性が高い
忘年会の宴会で一発芸を披露したくないにも関わらず、強制されるのであればパワハラと見なされる可能性が高いでしょう。雇用契約に「忘年会の宴会で一発芸をしなければならない」と定めるケースはほとんどなく、業務上不可欠な行動ではありません。また、社会通念上正当な職務行為とも言い難いです。 雇用環境・均等局の「パワーハラスメントの定義について」では「優越的な関係を背景として行われること」「業務上必要かつ相当な範囲を超えて行われること」「労働者に身体的もしくは精神的苦痛を与える、就業環境を害すること」がパワハラの概念であると伝えています。 さらに、パワハラを満たすと考える例について6つの行為類型を伝えており、そのうちの一つが「過大な要求」です。 過大な要求とは「上司が部下に対して、長期間にわたる、肉体的苦痛を伴う過酷な環境下での勤務に直接関係のない作業を命ずる」ことを意味します。