<三留兄弟製作所>「休むって言ったって、今まで仕事仕事で、仕事大好きだった人がいきなりやることなくなったらどうするのか」町工場を閉める理由とは。そして|スバル360で素敵探検
横浜の下町で長年バイクファンや旧車ファンに愛され続けていた「三留兄弟製作所」がのれんを下ろすことに。その店のファンの一人であった大貴誠さんが、三留兄弟製作所の思い出を語った。本記事では、店を閉める理由が語られる。 【画像22枚】バイクやクルマ好きにとってはたまらない「大人の遊園地」最後の写真。工場とはまた違った居心地のいい事務所で、工場が終わるからと駆け込み需要がまだいっぱいある、そんな電話にテキパキと受け答えしている女性陣もかっこいいです。「うちは安くて有名だったのよ」とか、もっと聞きたかったなあ 【大貴誠のレディーバードの旅 第50回】 現在の代表である三留節男さんのお父さんが、弟さん(つまり節男さんの叔父さん)と始めた工場が「三留兄弟製作所」で、今は節男さんと弟の政次郎さんがずっと一緒にやってきた二世代目の「兄弟製作所」なのでした。 「親がやってた工場で育って、自分も自然に同じ仕事をやってきた」という節男さんですが、政次郎さんが体調を崩したことがきっかけで「ずっと休みなしに働いてきたから、もうのんびりしてもいいか」と、工場を閉じることにしたそうです、……が。 「休むって言ったって、今まで仕事仕事で、仕事大好きだった人がいきなりやることなくなったらどうするのか、こっちは心配でしょうがなかったわよ」 と節男さんの奥さんが笑います。若い頃にはデートで富士スピードウェイに行ったりしたそうで、今もとっても仲がいいご夫婦です。それはともかく、「三留兄弟製作所」は「なくてはならない場所」で、昔は横浜に何軒かあった同業のお店も今では三留さんのところだけになっている。そこが閉店したらどうしたらいいんだ! と、お客さんたちが懸念していましたが、節男さんは工場の機械(の一部)と一緒に、磯子にあるバイクショップ「プロップマン」に11月から移籍することに決まったとのことです。 これ、ホッと胸をなで下ろしてる人はいっぱいいるはず。「プロップマン」代表の石井博幸さんは、閉業の話を聞いて「ぜひうちに来てください」と申し出たとか。最初のうち「しばらくのんびりする」と言ってた節男さんも、奥さんの思った通り、「やっぱり仕事するか」とその話を受けることに。石井さん、よくぞ言ってくださいました! 節男さんの技術が、次の世代に受け継がれることになって本当によかった。一歩入るとそこは…! 初出:ノスタルジックヒーロー 2019年10月号 Vol.195 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部