ラグビー日本代表候補の早稲田大・佐藤健次が夢見る「荒ぶる」合唱 目標まであと1勝
【先輩・齋藤直人の姿を見てワセダへ】 昨季のリベンジを果たした早稲田大は、2大会ぶり34回目の決勝戦に臨む。相手は大方の予想どおり4連覇を狙う帝京大(対抗戦2位)。今季の帝京大とは春季大会こそ7-60で大敗したものの、夏合宿では38-14、そして対抗戦でも48-17で勝利を収めている。 勝敗を分けるのは、やはり決勝でもスクラムの出来が大きく影響するだろう。佐藤は「細かいプレーが大事」と言う。 「結局のところ勝負を決めるのは、誰かのランブレイクではなくて、(こぼれたボールに対して体を張ってマイボールにする)セービングとか、ラインアウトからのこぼれ球とか、ディフェンスのバッキングアップ(スペースを埋めるなどのフォロー)とか、そういう細かいプレーを80分間やり続けることだと思います。 1点でも最後に勝っていればいい。優勝するか準優勝するかは、本当に雲泥の差です。最後に見たことない景色を見にいけたらいい」(佐藤) 佐藤の言う「見たことのない景色」というのはもちろん、早稲田大が日本一になった時だけ歌うことを許されている第二部歌『荒ぶる』を130人以上の部員全員で歌うことを指す。 学生ラストイヤーの佐藤は4年前、桐蔭学園の先輩であるSH齋藤直人(現トゥールーズ/フランス)の代が日本一になる姿を見て、「早稲田大で優勝したい!」と臙脂のジャージーをまとう早稲田大の門を叩いたた。 中学校時代(横浜ラグビースクール)も花園でもキャプテンとして日本一に輝き、世代のトップを走り続けている通称「サトケン」。大学ラストイヤーで優勝し、有終の美を飾ることができるか。
斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji