アルファベット敗訴、開発業者のアプリストア容認命令-米独禁法訴訟
(ブルームバーグ): 米サンフランシスコの連邦地裁判事は7日、アルファベットは同社のアプリストア「グーグル・プレイ」と競合するマーケットプレイスをアプリ開発業者が立ち上げるのを妨げる制限を撤廃しなければならないとの判断を示した。
これにより、利益の上がるアンドロイド・アプリ市場におけるグーグル・プレイの支配的地位が覆される可能性がある。グーグル・プレイの2020年の売上高は146億6000万ドル(現行レートで約2兆1720億円)だった。
アルファベットを相手取って反トラスト法(独占禁止法)違反訴訟を起こしたゲームソフトメーカーのエピック・ゲームズにとって大きな勝訴となった。昨年12月、同地裁の陪審はアルファベットがグーグル・プレイを通じてアンドロイド・アプリ市場の支配的地位を不当に利用しているとの評決を下していた。エピック・ゲームズは人気ゲームソフト「フォートナイト」を手掛ける。
7日の米株式市場でアルファベットは2.4%安で通常取引を終えた。
地裁判事の判断を受け、アルファベット傘下のグーグルはブログ投稿で、「エピック訴訟の判断は、アップルとアンドロイドが競争しているという明白な事実を見落としている」とし、「われわれは控訴し、ユーザーとアプリ開発業者にとって一貫性があり安全な体験を維持するため、法的手続きが進む中で是正措置の実施を一時停止するよう裁判所に求めるつもりだ」と表明した。
2020年に始まったこの訴訟で、エピック・ゲームズはグーグル・プレイのルールや手数料が競争を阻害し、アプリ開発業者によるアプリマーケットプレイスの立ち上げを妨げていると主張していた。今回の判断により、世界中の規制当局や議員から非難されているアルファベットとアップルのアプリストアの支配力の低下が加速する可能性が高い。
サンフランシスコの連邦地裁のジェームズ・ドナート判事は11月1日に発効する差し止め命令を下した。命令はグーグル・プレイのみの利用や、顧客にアプリの直接ダウンロード方法を伝えないことを条件にグーグルがアプリ開発業者に金額を支払うのを3年間禁止する。また、グーグルが課金機能の利用をアプリ開発業者に強制することも3年間禁止される。