米金融当局のリバースレポ利用額、21年5月以来の2000億ドル割れ
(ブルームバーグ): 米金融当局が設定している翌日物リバースレポ(RRP)ファシリティーの利用額が、2021年5月以来の2000億ドル(約30兆5800億円)割れとなった。流動性をひっ迫させることなく、金融システムからの流動性吸収をいつまで継続できるかという議論が再燃している。
1日のレポ応札には計41の市中銀行やマネー・マーケット・ファンド(MMF)が参加。ニューヨーク連銀のデータによれば、応札・落札額は総額1550億ドルだった。過去最高は2022年12月30日に記録した2兆5500億ドル。カウンターパーティーの数は21年6月以来の少なさだった。
利用減少の背景には調達金利の高止まりがあり、これが資金をRRPファシリティーから遠ざけている。RRPが提示する貸出金利4.8%に対し、この日は調達金利が4.93/4.92%で取引される場面もあった。
「マネーマーケットの投資家が代替手段によって十分な流動性を確保し、他のプロダクトの方がRRPより魅力的だと考えていることを利用減少は示唆している」と、TDセキュリティーズのジェナディー・ゴールドバーグ氏は述べた。
市場関係者はこの制度の残高が減少するペースを注視している。ウォール街の一部では、量的引き締めとして知られる連邦準備制度理事会(FRB)のバランスシート圧縮策の一環として、金融システムから過剰流動性が吸収された結果だとの見方がある。FRBは6月にバランスシート圧縮のペース減速を開始。短期市場金利への潜在的な圧力を緩和し始めた。
原題:Fed Reverse Repo Use Declines to Lowest in More Than Three Years(抜粋)
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Alex Harris