「挑戦が誤解されるかも」ミス・ジャパン初代グランプリの土屋炎伽が母と深夜に交わした言葉と13年間チアを続ける「原動力」
家族は、妹が芸能界で仕事をしているので、私の挑戦が不本意な形で誤解されるかもしれないということをすごく心配していました。特に母は、この挑戦が本当に今の私に必要なものなのか、必要だとしても、その先に変化するさまざまなことを本当に熟考できているのか、また妹が芸能活動をしているからこそ母自身が痛感している厳しさや難しさについても本当に心配をしていて、深夜まで話し合うこともありました。でも、このような機会が今後あるかどうかも分からないし、あのとき出ていたらどうだったんだろうという後悔をしたくないと思ったので、ステージに進むことにしました。
── そして、初代グランプリに輝きました。 土屋さん:書類が受かるとも思っていなかった私が東京大会に出られて、選考を楽しもうと思っていたら東京代表に選んでいただいて、最終的にグランプリをいただいて。もちろん選んでいただけたことは本当に嬉しいですし、今も全力で取り組んだ自分には誇りを持っています。でも、光が強ければ陰も強いように、ミス・ジャパンをいただいたことで生まれた迷いは、決して小さいものではありませんでした。
「自分に自信を持ちたい」、「人と比べずに自分らしく生きていきたい」と思って真摯に取り組んだはずの挑戦でしたが、結局は比べられる場所に…。果たして挑戦してよかったのかと考えると、今も迷いがないとは言えない。だからこそ、日々を大切にして、挑戦してよかったと心から思える過去にできるように頑張っているという感じです。 PROFILE 土屋炎伽さん 1992年8月26日生まれ、東京都出身。明治大学応援団バトン・チアリーディング部を経て、富士通入社後は「フロンティアレッツ」のチアリーダーとして活躍した。「2019ミス・ジャパン」にて初代グランプリを受賞。現在はXリーグ「ブルーサンダース」のチアリーダーをはじめ、幅広く活動している。
取材・文/長田莉沙 写真提供/土屋炎伽
長田莉沙