オレンジジュース(1L)250円→327円 インテージ調査で判明 円安・物流費高騰と不作が要因
100%ジュースの価格が高騰する中、100%オレンジジュース(オレンジ)の価格が著しく上昇していることがマーケティングリサーチ会社インテージの調査で明らかになった。 全国約6000店舗から収集しているインテージSRI+(全国小売店パネル調査)によると、100%ジュースは2021年度(21年4月‐22年3月)から上昇し23年度に急伸した。 1Lあたりの平均単価は、20年度に233円(前年度比1.0%減)だったのが、21年度に242円(同5.1%増)、22年度に258円(同2.7%増)、23年度に328円(同20.3%増)となった。 100%ジュース全体の値上げの要因は、長引く円安や物流費の高騰、気候変動による原料の不作が挙げられる。
フレーバー別に1Lあたりの平均単価をみると、23年度に最も高い伸び率をみせたオレンジは327円。前年は250円で77円の値上げとなった(前年比30.8%増)。 次いで、オレンジとの僅差で、100%アップルジュースが311円(26.3%増)、100%グレープジュースが297円(25.6%増)と高い伸びをみせた。 オレンジの価格高騰の要因は、円安や物流費高騰に加えて、天候不順や病害のまん延による不作が挙げられる。 インテージ市場アナリストの木地利光氏は「オレンジの値上げが目立つのは、オレンジの不作が影響している。値上がりによる買い控えだけではなく、原材料のオレンジの供給不足による販売休止の動きもあるため、オレンジの販売容量が大きく減少している」と分析する。
2023年度のオレンジジュースの販売容量は、前年比18.2%減、19年度比35.7%減の9500万Lとなった。 容器別でみると、主要フレーバー共通で紙パック商品の価格が著しく上昇している。 一例を挙げると、オレンジの23年度容器別1Lあたりの平均単価の前年比は、紙パック37.8%増、ペットボトル9.9%増、その他容器(瓶・缶・カートカンなど)5%増となった。 これについて、木地氏は「製紙メーカーが紙パック製品の値上げをしていることが背景。ウクライナ情勢による供給不足に加えて、環境保護のための脱プラの流れにより木材の需給がひっ迫していることが価格上昇につながっているとみられる」との見方を示す。