原発「依存度低減」削除、事実上の増設も エネルギー基本計画素案
経済産業省は17日、エネルギー政策の方向性を示す新しい「エネルギー基本計画」(エネ基)の素案を発表した。東日本大震災後に定めた「原発依存度を可能な限り低減する」との文言を削り、「特定の電源や燃料源に過度に依存しない」と差し替えた。さらに、原発の建て替え(リプレース)を進める方針も示した。 【写真】新しいエネルギー基本計画で認める原発の建て替え(リプレース)のイメージ 今回の素案は、2040年度に向けた政策の方向性を示すもの。電気をたくさん使う半導体工場やデータセンター(DC)が相次いでできるとし、40年度の電力需要はいまの約1.2倍にあたる1.1兆~1.2兆キロワット時に増えると想定。原発と再生可能エネルギーを「脱炭素電源」ととらえ、ともに「最大限活用」すべきだとした。 ただ、原発は再稼働が進まず、足元の割合は1割に満たない。電力需要が増える前提で「2割」を達成するには、いっそうの後押しが欠かせないとする。 そのため素案では、廃炉を決めた原発の敷地内に限って認めた建て替えを、同じ電力会社なら別の原発の敷地でも、廃炉した分だけ原子炉をつくれるとした。事実上の増設を認めた形だ。
朝日新聞社