カーリング・藤澤五月の肉体美はどのように生まれたのか? 2カ月半の“変身”支えたトレーナーに聞くボディメイクの舞台裏<RS of the Year 2023>
優勝を目指した中でオープン部門で2位、ノービス部門で3位に
――藤澤さんはもともと色白な印象でしたが、大会の映像を見ると、肌が綺麗に日焼けしていました。筋肉を美しく見せるために焼いているんでしょうか? マムシ〇:そうです。肌が白いと、ステージ上で照明が当たった時に筋肉のカットがぼやけて見えたり、膨張して太って見えたりしてしまうんです。それで、出場者は大会前に彫りを深く見せるようなメイクをしたり、体にスプレーを吹きかけてカラーリングをするのですが、ある程度下地を焼いておかないとうまくいかないことがあるので、日焼けサロンで焼くんです。ただ、藤澤さんは肌がちょっと弱くてあまり焼けない事情があったので、大会前にカラーリングを2回入れました。 ――コンテストではオープン部門が2位、ノービス部門が3位という結果でした。これはトレーナーとしても嬉しかったんじゃないですか。 マムシ〇:そうですね。優勝を目指していたので私も悔しさは残りましたが、ベストは尽くせたと思います。オープンは最もハイレベルで、3位以内に入るのは難しいんです。タイトルを取れるか取れないかは組み合わせとか、いろいろな環境によっても変わるので、素晴らしい結果だったなと思いますね。 ――初出場で2位はすごいことですね! オープン部門で1位との差を分けたのは何だったのでしょうか。 マムシ〇:一つは、ビキニの体って少し女性らしい部分を残すことが必要なので、藤澤さんの場合は少し絞りすぎたところがありました。ただ、筋量さえあればどんなに絞っていても「絞りすぎ」と言われないので、次はもっと筋量をつけて同じぐらい絞れば、理想的な筋肉量になると思います。 もう一つが、ビキニ競技に対するトレーニング歴や経験値です。筋肉の作り方や大きさが、年数かけていった人に対してはやっぱり少し及ばないところがありました。 ――経験値も重要なんですね。今回、カーリングの藤澤選手の大変身で、ボディメイクに興味を持った人も多いと思います。マムシ〇さんは、これを機にボディメイクのどんな魅力を知ってもらいたいですか? マムシ〇:運動、食事改善をすることで人生が明るくなったり、健康的に暮らせるようになることが一番の魅力だと思います。今回、藤澤さんの大会出場が大きなニュースになったことによって、ボディメイクに興味を持って「ジムに通い始めた」という人の声も多く聞きます。そういう健康意識がさらに高まっていけばいいなと思っているので、「私には無理だろうな」と思わずに興味を持って行動してもらえる方が増えたら嬉しいです。 <了>
[PROFILE] マムシ〇口子(まむしまるくちこ) 1988年生まれ、東京都出身。絵本読み聞かせアーティストとして活動する傍ら、2020年にボディメイクを始め、現在は食事指導(オンライン)、ダイエットサポート、ビキニフィットネス、対面のパーソナルサポートなどを行う。今年4月にカーリング日本代表の藤澤五月さんから連絡を受け、減量とボディメイクをサポート。7月に国内最大級のアマチュアフィットネス団体「Fitness World Japan」(FWJ)が主催するボディメイクコンテスト「MOLA CUP」に出場し、ビキニクラスのノービスで3位、オープンで2位の好成績につなげた。
インタビュー・構成=松原渓