カーリング・藤澤五月の肉体美はどのように生まれたのか? 2カ月半の“変身”支えたトレーナーに聞くボディメイクの舞台裏<RS of the Year 2023>
WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)、ラグビーワールドカップ、サッカー・FIFA女子ワールドカップ、世界陸上、バスケットボール・FIBAワールドカップ……数々の世界大会が開催され、多くのアスリートの活躍に心揺さぶられる1年となった2023年。一方で、小野伸二さん、石川佳純さん、岩渕真奈さんなど、長く第一線で競技を背負ってきたレジェンド選手たちが現役引退を決意したことも印象的な一年となった。そこで、結果や勝敗だけではないスポーツの本質的な価値や魅力を伝えてきた『REAL SPORTS』において、2023年特に反響の多かった記事を振り返っていきたい。今回は、カーリング・藤澤五月選手の肉体改造で話題となったトレーナー・マムシ〇口子(まむしまるくちこ)さんのインタビュー記事だ。 (2023年8月14日公開) =================================
わずか2カ月半で、人の肉体はここまで変わるのか――。カーリング日本代表として平昌五輪で銅メダル、北京五輪で銀メダルを獲得した藤澤五月選手の鍛え抜かれた筋肉美が、日本に衝撃を与えた。今年7月、国内最大級のアマチュアフィットネス団体「Fitness World Japan」(FWJ)が主催するボディメイクコンテスト「MOLA CUP」に出場。ビキニクラスのノービスで3位、オープンで2位の好成績を残した。彼女のトレーナーとして食事やトレーニング指導にあたったマムシ〇口子(まむしまるくちこ)さんに、ボディメイクの魅力と、肉体改造の舞台裏を聞いた。 (インタビュー・構成=松原渓、写真提供=マムシ〇口子)
パッと見て「すごいな」と思ってもらえる
――マムシ〇さんがボディメイクを始めたきっかけは何だったんですか? マムシ〇:もともと演劇をやっていたので、体づくりのために20歳前半ぐらいからランニングやジムワークをやっていたんですが、私自身、筋肉がつきやすかったり、ランニングもやればやるほど成果が出るのが楽しいと思っていました。ボディメイクを知ったのはインスタグラムです。いろいろなカテゴリーがありますし、パッと見て「すごいな」と思ってもらえるじゃないですか。私もそういう、すごいな!と思われる一流のことを身につけたいという思いがあって始めました。 それと、私はもともとあまり運動が得意ではなくて、怠けやすい性格だったので、それを正していくことも目的の一つでした。「精神的にも成長したい」という気持ちで始めましたね。 ――仕事をしながら、空いている時間に体を鍛えて大会に出る感じだったんですか? マムシ〇:そうです。エンターテインメント関係の業種で、絵本を作って読み聞かせの活動をしているんですが、新型コロナウイルスが流行る前は読み聞かせの路上パフォーマンスなどをしていたんです。ただ、徐々に外に出られない時期が続いたので、その時に鍛えたら、それが本業になっていきました。2020年からトレーニングを始めて、2021年に「サマースタイルアワード」という大会に出場したのが最初で、それ以降は「Fitness World Japan」(FWJ)が主催する大会に出ています。 ――4年間で、こんなに体を自在に鍛えられるようになるんですね! ボディメイクの大会に出て、どんなことが変わりましたか? マムシ〇:最初の頃の周囲の反応は、「また変なことやり始めたな」という感じでした(笑)。女の子はあまり鍛えても仕方ないよ、とか、鍛えて何になるの? という声も多かったです。ただ、私自身は続ける中で自信がついて、日々明るく人と接することができるようになりましたし、トレーニングをすることで精神的な健康も保てるようになりましたね。1人でも取り組めますし、トレーニングを通じていろんな人と関わる中で絆が深まったのも嬉しい変化でした。