なぜ誰も管理職になりたがらないのか?「そりゃそうだ」と思える納得の理由
この時にはマネジメントの仕事を避けて専門職の道を選ぶこともできるのだが、注意しておかなければならない点が2つある。 ひとつは、同じ職級であっても組織長コースを選び課長などの役職がついた方を上に位置づける会社が多いということだ。もともと1980年代に生まれた専門職制度が、ポスト不足を背景にしたものだったことや、主要な権限を組織長が持つという職務特性によるのだろうが、専門職を格下の位置づけにしてしまうのである。 もうひとつ、専門職になると次の職級に上がる基準が不明確で昇級スピードが遅くなる(頭打ちになる)ということもある。プロフェッショナルが活躍している会社かどうか、すでに専門職から役員等になっている先人がどれだけいるかなどをしっかり見ておきたい。 つまり、専門職コースの選択も、必ずしも魅力的な道ではないということである。その分野のプロとして社外でも通用するレベルまで上がらないとキャリアが開けないということを、十分に意識しておく必要がある。 管理職昇進の流れに乗っている間は、キャリアの展望が明確でなくても、必要になった時に考えてキャリアを選択すればよいが、今後のキャリアを冷静に展望することなしに管理職になることを毛嫌いしてしまうと、キャリアに閉塞感を抱くことになりかねない。そのような実態はあまり説明されることがなく、ミドル以降のキャリアパスが可視化されていないので、「管理職になりたいか否か」という判断になってしまうのである。 <IMAGINE> あなたは管理職になる時に、専門職などの別の道を選択することを悩みましたか?あらためて今、別の道を選択する道もあると思いますか? ● 統計上の労働時間は大差ないが… 「管理職=長時間労働」と思われがち 管理職になることで仕事・役割が増えて、どうしても長時間労働になるため、管理職になることに抵抗があるという人もいる。特に育児、介護、学業(資格取得や大学通学など)との両立を抱えている場合や、自分自身の体調に懸念がある場合には気になるところだろう。 現実はどうなのか、統計データで確認してみる。