なぜ誰も管理職になりたがらないのか?「そりゃそうだ」と思える納得の理由
管理職に昇進すれば給与が上がることは誰もがわかっているはず。それなのにこれほど不人気なのはなぜなのだろうか? <IMAGINE> あなたのメンバーにも管理職になりたくないと考えている人がいませんか?なぜその人は管理職になりたくないと思っているのか、その理由を想像してみてください。 ● たとえ管理職になったとしても ミドル以降のキャリアパスが不明確 主任・係長クラスの人でさえ管理職になりたいと思わないのは、キャリアパスの不明瞭さに原因がありそうだ。 日本企業の多くは職能資格制度という人事制度を採用してきた。職務遂行能力によって職級を決めるものだが、一定の職級に達すると課長、部長などの役職に任用される。報酬は職級によって決まるが、実質的に職級と役職が連動しているので、管理職になることが報酬を上げる道になる。実際に平均年収で見ると、非役職者約281万円、係長369万円、課長約486万円、部長約586万円(厚生労働省「賃金構造基本統計調査」2022年)となり、役職が上がるにつれて年収も上がっていく構造がはっきりしている。 職務遂行能力は意図的にあいまいに定義されていて、経験年数(新卒一括採用が主流の日本では経験年数はほぼ年齢と一致する)に左右されるため年功的になりやすい。 職能資格制度以外に、職務等級制度(ジョブ型)(*1)や役割等級制度を採用する企業も多くなってきたが、それでも職級が役職と連動しているため、やはり管理職になることは避けて通れない。 *1 流行語のようにジョブ型という言葉が使われているが、日本企業の多くが採用しているジョブ型は厳密な職務等級型ではなく、職務と役割のハイブリッド型が多い <THINK> あなたの会社の人事制度は、職能資格制度、職務等級制度、役割等級制度のうちどれですか?一般社員と管理職では異なる場合もあります。 ● 管理職ではなく専門職を選んでも スキルがなければ道は開けない 会社によっては専門職制度を有しているところもあるだろう。組織長になるコースと専門職になるコースに分かれていて、管理職になれる職級に上がる時にどちらかを選択する。