[懐かしの名車] ホンダ プレリュード(2代目):みんなが憧れたスペシャリティクーペ
極限まで低く設計されたボンネットがもたらす、スポーティーなシルエット
2代目プレリュードには、初代で築いた大人のパーソナルクーペという個性に加えて、ホンダらしいこだわりのある付加価値がいくつも与えられていた。もっとも目につくのは極限まで低められたボンネット。そのために採用された凝ったダブルウィッシュボーンの足まわりは、ほとんどロールを感じさせることなく機敏に回頭する、独特のハンドリングも実現させていた。 ◆クルーズコントロールやエレクトロニックナビゲーター(平均車速などを表示、燃費表示はなかった)、カセットステレオなどを標準装備。ちなみに電動スモークドサンルーフは全車装備とされた。 ◆XXのインパネ。ベストポジションをセットしておけば、ドライバーが変わって変更しても、自動的に元に戻る記憶式チルトステアリングを標準装備。ステアリング内のスイッチはクルーズコントロールのもの。またXXでは4万円高でカラード液晶デジタルメーター車も選択できた。 ◆腕を動かしやすいローショルダーのフルバケットシート。シートスライド量は180mm、リクライニングは18段、ヘッドレストは前後調整機能付きだった。 ◆1気筒あたり、吸気2排気1の3バルブをもつESエンジン。S600やS800にも採用されていたCV型キャブレターを2連装、さらに固定ベンチュリー型の副キャブレターで燃料を供給し、125ps(AT車は120ps)の最高出力を誇った。 ◆低いボンネットを実現させるためにフロントサスは部品点数が多くなるダブルウィッシュボーン式を採用。 ◆低いウエストラインでスリムなスタイリングに変身した2代目プレリュード。
ヤンエグ層を中心に「デートカー」として歓迎
先代の個性でもあったサンルーフに加えて、日本車初の4輪ABS(当時ホンダはALBと呼んだ)も搭載。さらに助手席のリクライニングレバーを右側にも備え、センターコンソールを低く抑えたインテリアは、当時の流行語だったヤンエグ(ヤングエグゼクティブ)のデートカーとして歓迎されたのだ。 バブル景気に向かって日本中が盛り上がる時代に、大人のための色気のあるクーペというホンダの商品企画は見事にマッチ。CMに使われたラヴェル作曲の「ボレロ」の調べとともに、プレリュードは時代の寵児となった。 【HONDA PRELUDE 2.0Si(1985年式)】●全長×全幅×全高:4375mm×1690mm×1295mm ●ホイールベース:2450mm ●車両重量:1040kg ●乗車定員:4名 ●エンジン(B20A型):直列4気筒DOHC1958cc ●最高出力:160ps/6300rpm ●最大トルク:19.0kg-m/5000rpm ●最小回転半径:5.1m ●10モード燃費:13.0km/L ○燃料タンク容量:60L ●トランスミッション:前進5段後進1段 ●サスペンション(前/後):ダブルウィッシュボーン式独立懸架/マクファーソンストラット式独立懸架 ●タイヤ(前/後):195/60R14 85H ◎価格(東京地区):209万5000円 ◆当時としてはワイド&ローを意識したスタイリングは斬新という言葉がぴったり。トランクスペースが大きく取られるなど、実用性を意識した設計もポイントのひとつ。 ◆2.0Siのインパネまわり。ステアリングはスポーティーな3本スポークを採用、オーディオ&エアコンのパネルスイッチもボタン式に変更されている。航空機の操縦桿のようなATシフトノブも当時は斬新だった。 ◆ヘッドランプは先にデビューした3代目セリカのようなライズアップ式も検討されたというが、最終的にリトラクタブル式が選択された。
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