石野真子さんが20万km乗ったクルマとは? 意外な愛車遍歴と今後のクルマ観について語る!
時間旅行の気分
そんな石野さんの心に刺さったクルマがある。 「2、3年前だったかな。すごくきれいな色のクルマが停まっていたんです。くすみカラーの、空色でマットな質感の色でした。近づくとボルボというロゴを見つけて、私が乗っていたボルボはこんなに変わって、また素敵なクルマになっているんだと、感動がありました」 こうして、最新のボルボを見てみたいという石野さんのリクエストを受けて用意したのが、ボルボ「EX30」。BEV(バッテリー式電気自動車)専用の基本骨格をゼロから設計して開発した、ボルボの未来を担うモデルだ。ちなみにボルボは、2030年までにBEV専業メーカーになることを目標にしている。 「いやぁ、未来のクルマという感じですね」と、石野さんは興味深そうにボルボEX30のあちこちをチェックする。 「SL500に乗っていたときに、ずいぶんガソリンを使いましたが、もう一滴も燃やさないんですね……。あと、音も静かで、メーターがないと思ったら画面上に映し出される!こういうクルマの時代になったのですね!と、驚きます」 運転席に座った石野さんは、あちこち見まわしてから、「スイッチとかが全然ないんですね」という感想を口にする。このクルマは、縦型のタッチスクリーンにインターフェイスのほとんどを集約することで、機械的なスイッチやダイヤルをほとんど廃しているのだ。 「運転席に座ってブレーキを踏むとスイッチオンになると教えていただいて、キーをまわしてエンジンを掛けていた世代からすると、隔世の感があります」 内装にリサイクル素材が多用されていることや、配線を減らすためにオーディオのスピーカーがドアではなくダッシュボードに据え付けられているといった説明を、石野さんは興味津々といった様子で聞いている。 「もう操作がタッチ、スマホのようですね。私が初めて乗ったボルボから、最新のボルボまで見せていただいて、なんだか時間旅行をした感じで、すごく楽しかったです」 確かに、クルマの仕事をしていても、同じブランドの1970年代のモデルと2024年のモデルを同時に体験する機会はほとんどない。 石野さんとともに、自動車の進化を肌で知ることができた、貴重な取材だった。
【プロフィール】石野真子(いしのまこ)
兵庫県生まれ。日本テレビのオーディション番組『スター誕生!』の決勝進出を機に、歌手として芸能界入り。78年、「狼なんか怖くない」でデビュー。同年にリリースした「失恋記念日」で第20回日本レコード大賞、第16回ゴールデン・アロー賞等で新人賞を受賞。以後、アイドルとして人気を博す。また俳優として、ドラマや映画、舞台でも活躍。現在放送中のNHK大河ドラマ『光る君へ』にも出演。 文・サトータケシ 写真・安井宏充(Weekend.) ヘア&メイク・冨沢ノボル スタイリング・間山雄紀(M0) 編集・稲垣邦康(GQ)