米証券市場、ベッセント氏の財務長官指名で上昇…ダウ平均は最高値また更新
トランプ次期米大統領が財務長官候補者としてウォール街出身のスコット・ベッセント氏を指名し、25日のニューヨーク証券市場は前日より値を上げて取引を終えた。この日ニューヨーク証券市場でダウ平均は前営業日より0.99%上昇の4万4736ドル57セントで引け終値基準で過去最高を更新した。 S&P500は前営業日より0.30%上がった5987.37、ハイテク株中心のナスダック指数は0.27%上がった1万9054.84でそれぞれ取引を終えた。小型株中心のラッセル2000もやはりこの日1.6%上がり過去最高記録を塗り替えた。 トランプ次期米大統領は22日、財務長官候補者としてヘッジファンドのキースクエアグループ創業者であるベッセント氏を苦心の末に指名した。これまでトランプ氏の破格な内閣人選を見守り不安に感じていた投資家は、専門性と合理性を備えていると評価されるベッセント氏の財務長官指名に安堵した。 市場の一部では、穏健派であるベッセント氏がトランプ氏者の過激な関税政策を中和させられると期待している。ベッセント氏はCNBC放送とのインタビューで、「関税政策は徐々に導入するのが望ましい」と明らかしていた。 キャピタルエコノミクスのジェームズ・ライリー氏は「市場が関税政策に神経を尖らせてきた中でベッセント氏の財務長官指名で財政に関連した主要懸念がやわらいだとみられる」と評価した。 米国の財政健全性悪化に対する懸念が減り米国債利回りも大きく下落した。電子取引プラットフォームのトレードウェブによると、10年物米国債利回りはこの日ニューヨーク証券市場大引け時に4.26%となり前営業日より0.16%下がった。 米国債10年物利回りはトランプ氏の大統領選挙勝利後にインフレ加速への懸念から急騰し一時4.5%を上回ったりもしたがこの日の急落で1日ぶりに大統領選挙後の上昇分を返上した。