なぜパリ五輪“8強GK”小久保玲央ブライアンはベルギーに新天地を求めたのか…「ベンフィカではプロとしての活動を継続できなかった」
シントトロイデン移籍が発表されたのが7月11日。パリ五輪が開催された関係で、ベルギー1部リーグ開幕後にずれ込んだ加入会見で小久保はこう語った。 「自分としてはしっかりと試合に出られて、ステップアップしていきたいと考えていたので、シントトロイデンからオファーをもらったときはすごくうれしかった。自分の環境を変えなきゃいけないと思っていたので、契約が残っているとか残っていないじゃなくて、しっかりとプレーができるクラブを選びたかった。なので、ベンフィカとの契約のところはあまり気にせずに、自分のなかでしっかりとプレーし続けられて、そしていい環境にいられるところを重視した移籍だったと思っています」 日本のIT大手、DMM.comが2017年に経営権を取得したシントトロイデンには、これまでシュミット・ダニエル(32、現ヘント)、そして昨シーズンには鈴木彩艶(21、現パルマ)と新旧の日本代表GKが守護神を担ってきた。 その鈴木が在籍わずか1年でセリエAへステップアップした状況で、シントトロイデンは小久保に白羽の矢を立てた。4月から5月にかけてカタールで開催され、U-23日本代表が優勝とともにパリ五輪切符を獲得したAFC・U-23アジアカップで、小久保が何度も見せた神懸ったスーパーセーブもオファーを出す要因になった。 だからといって、無条件でポジションを用意しているわけではない。シントトロイデンの立石敬之CEO(55)も、オンライン会見の冒頭でこう語っている。 「これまでの代表キーパーたちに負けないポテンシャルをもっているので、試合経験を積んで、私たちの新しい守護神となってほしい」 すでに第3節までを終えているベルギー1部リーグで、唯一の開幕3連敗を喫しているシントトロイデンは16チーム中で最下位に沈んでいる。しかも、直近のアントワープ戦で1-6の大敗を喫するなど、総失点11はリーグワーストとなっている。 この試合では移籍後初先発を果たした谷口をはじめ、唯一のゴールをあげたDF小川諒也(27)、MF伊藤涼太郎(26)、さらにパリ五輪から復帰したMF山本理仁(22)とMF藤田譲瑠チマ(22)と5人の日本人選手が先発した。 しかし、同じくパリ五輪から復帰した小久保はリザーブのまま試合を終えた。7月のキャンプから小久保のプレーをほとんど見ていない、イタリア出身のクリスティアン・ラタンツィオ新監督(52)は開幕戦と第2戦に続いて、昨シーズンは鈴木の控えだったベテランのヨー・コペンス(33)にゴールマウスを託している。
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