ふるさと納税を年間上限額ぎりぎりの「8万円」で行いました。控除されるのはすべて「所得税」からですか?
税額控除を受けるために、ふるさと納税を利用するケースがあります。ふるさと納税は寄付した金額に応じて控除額が変動する制度です。自己負担額の2000円を除く全額が控除される上限額も決められているため、寄付をする前に、全額控除されるには自分がいくらまで寄付できるかの確認をしておきましょう。 今回は、ふるさと納税で控除を受けられる税金の種類や、計算方法などについてご紹介します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
ふるさと納税の控除対象は?
ふるさと納税は、還付ではなく税額から控除される形で税金負担を軽くできる制度です。控除は所得税だけでなく住民税も対象で、それぞれで控除される計算式が異なります。 総務省の「ふるさと納税ポータルサイト」によると、所得税と住民税の控除額は以下の式で求めた金額です。 ●所得税:(ふるさと納税額-2000円)×「所得税の税率」 ●住民税基本分:(ふるさと納税額-2000円)×10% ●住民税特例分:(ふるさと納税額-2000円)×(100%-10%(基本分)-所得税の税率) 所得税の税率は、令和19年中の寄付までは、復興特別所得税の税率を加えた率となります。また、所得割額とは住民税のうち所得に対して10%(基準値の場合)の税率をかけて求める数値です。
8万円寄付したときの控除額はいくら?
今回は、上限額に達していないとして寄付金の控除額を求めましょう。所得税率は20%とします。条件を基に前述した計算式に当てはめると、各控除額は以下の通りです。 ●所得税:(8万円-2000円)×20%×1.021=1万5927.6円 ●住民税基本分:(8万円-2000円)×10%=7800円 ●住民税特例分:(8万円-2000円)×(100%-10%(基本分)-(20%×1.021))=5万4272.4円 計算すると、控除合計額は7万8000円です。また、計算結果からも分かるように、基本的には控除される割合は住民税の方が多くなります。 ただし、小数点以下の端数処理の関係で、実際の控除額の数値とは差が出る可能性があります。