今日パナマ戦!ビジャレアルで出場増加の久保建英は「一発勝負」と考える森保Jで存在感を示すことができるのか?
FC東京からマジョルカ時代を通じて最も得意としてきた、中盤の右サイドを主戦場とする選手は今回のメンバーでは伊東純也(ヘンク)だけ。右サイドから中へ切り込み、利き足の左足でシュートやパスを自在に繰り出せるシチュエーションが巡ってくる確率も高い。 「何試合目とかは関係なく、自分はしっかりとチームに貢献することが大事だと思っているので。その意味では貢献するための手段として、結果というものを狙っていければ。新たにというよりは、選ばれたからにはしっかりと爪痕を残すことが、次に選ばれるためにも必要なので。次を見すえていくためにも、2試合ともチャンスがあればチームに貢献できればいいかなと思っています」 今遠征の代表メンバーが発表された5日には、あるプレーを介して久保は成長を実感している。マッカビ・テルアビブに4-0で快勝したヨーロッパリーグのグループステージ第3節。MFアレックス・バエナが後半26分に決めた3点目を巻き戻していくと、久保の“強さ”に行き着くからだ。 右タッチライン際の前方に弾むロングボールへ向けてスプリントした久保が、相手選手との激しいフィジカルコンタクトの末にボールをゲット。直後に急停止し、中央へ供給されたグラウンダーのパスを受けたFWカルロス・バッカが、相手の意表を突くヒールパスをバエナへ通した。 「相手に当たり負けはしなくても、身体がちょっとそれてしまうことが昔というか、近年ではずっとあったので。その意味で僕のボールでは少なくともそういうことがないように、と意識してやってきたなかで、あのようにしてマイボールにできたことはすごくよかったと思っています」 マイボールにした後に急停止したのは、そのままドリブルで前へ進めば背後から相手のファウルで止められ、最悪の場合、けがに繋がりかねないと判断したからだ。迅速かつ俯瞰的に状況を把握する能力と、日々のトレーニングを介して身にまとった“強さ”に、持ち前のテクニックがゆっくりと、そして確実に選手間で激しい競争が繰り広げられているビジャレアルで融合されつつある。 「例年に比べてもタイトなスケジュールになっているなかで、代表から帰ってからも週に2試合の連戦が続くチームにいる身としては、けがというものにもいっそう気をつけながらプレーしていくという、昨シーズンまでの自分にはなかった新しい課題もあるのかな、と思っています」 ビジャレアルでも代表でもすべての能力を常にフル稼働させながら、不慮のけがにも無縁というテーマも自らに課す。パナマ代表に続いて日本時間18日早朝には、FIFAランク11位の強豪メキシコ代表と対戦する今遠征へ。久保は「相手によって臨機応変に対応するのもいいですけど、自分たちのサッカーで主導権を握る両方の選択肢を併せ持つのが一番ですね」と自分なりの青写真を思い描いている。 (文責・藤江直人/スポーツライター)