日米選挙で揺れる株価 どう投資?【Bizスクエアで学ぶ投資のキホン#25】
――トランプ氏が大統領に返り咲いた場合の市場への影響は? ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏: 端的に言うと、株もドルも少し上がると思う。やはりトランプ氏はビジネスマン。アメリカを強くするんだと減税を公約にしているし、財政拡張派。少し株価上がるし、米ドルもちょっと上がると思う。 ただ、8年前、2016年のときって、トランプさんが当選となったらその日の夜からワーッと株価上がった。あんなに勢いよく上がることは想定していない。トランプ氏がもし今回当選したとしても8年前ほどのサプライズではない。それから8年前は大型減税を導入した。今回は過去に導入した大型減税の恒久化。やはりインパクトは8年前ほどは大きくないと思う。市場も既にある程度織り込んでいる。 ――当選を見込んでエネルギー株やビットコインなどが上がっている。 ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏: ただ来週の市場。まずは衆院選の結果次第で大きく上がることもあるし下がることもある。衆議院選挙のほかにもアメリカの経済指標や主要企業の決算が目白押し。 例えば経済指標でいうと週末に雇用統計がある。ここ2か月ほど失業率が少し下がって、マーケットもほっと一安心。FRBもほっと一安心という感じだが、今回ハリケーンの影響があるので、雇用者数の伸びが鈍化するとか、場合によっては失業率が、見かけ上、上がる可能性もある。来週の週末にかけてざわつくかもしれない。 その前に主要企業の決算として例えばGoogleの親会社アルファベット、マイクロソフト、インテル、アマゾンとナスダック指数やS&P500にも大きく影響する企業の決算が出てくるので、来週は慌ただしい。 ■中間決算 業績見通しは? ――大統領選前にいろんな重要なデータが出てくることになる。その影響も含めて日本株、日本の市場がどうなっていくか。今月は多くの日本企業でも中間決算が発表されている。業績予想はどうなるか? ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏: 結論から言うと、今回の中間決算の発表のときに、通期の見通しを引き上げる企業が例年以上に多いと予想している。分析したデータを紹介したい。左側、期初要素から第1四半期決算時点の予想への変化。企業は期初年度初めに業績予想を出す。その後も3か月ごとの決算のたびに最新の予想を発表する。