フェイクニュースに騙されないために ── 読者の技量、そして生じる責任
ネットニュースは信頼できないのか?
「ネットニュースは信頼できないのか?」と一括りにしないほうがいい。ざっくりいうと、情報を出すまでにどれくらいのフィルタがかかっているかが本質だ。役所なら信頼でき、新聞社が誠実だとか、ネットは軽薄だということを言いたいのではなく、事実を確認するのにどれだけの人を割いて、制度的にフィルタを作っているかという点に注目している。 新聞社は情報が出るまでたくさんのチェックを受ける。もちろん誤報もあるが、それが問題になるくらい確率が低いということだ。ネットもいろんなものがある。ブログは一人で書いて一人で出すから、フィルタはない。個人の一人ができることは限られている。自分が信じていることが間違えているということはよくある。 頼りになるのは、デスクや校閲だ。新聞では制度的にそうなっている。怪しいものは再チェックし、最終的に間違いが含まれている可能性の小さいものが出てくるようになっている。その仕組を持っていないメディアは、ネットか紙かを問わず危険だ。信頼できるのは、紙かネットかの問題ではない。 ネットニュースでは、チェックを受けなかった記事と、何重のチェックを受けた記事も同じ場所で読めてしまう。そういうことを意識して読まなければならない。そうした責任は、読者の側に求められてしまっている。