家づくり&間取りの工夫:大きなものが片づく深い収納、どうつくる?
奥行きのある収納スペースは使いにくいもの。3年前にハウスメーカーで注文住宅を建てた整理収納アドバイザーは、収納するのに奥行きが必要なものをしまうため、1階と2階に押入れと同じ奥行きのある収納スペースをつくりました。家じゅうがすっきり、快適に過ごせています。使いやすい収納のある家づくりについて語ります。
使い勝手が悪い奥行きのある収納。結局、新居でも必要に
筆者は、夫と子ども(中学生2人、小学生1人)で5人暮らしをしています。結婚してから今の家が3軒目。1軒目は義両親の持ち家である築35年のマンション、2軒目は8年前に購入した新築マンション、そして現在は、3年前に大手ハウスメーカーで建てた、注文住宅に住んでいます。 1軒目と2軒目、どちらの家にも押入れがありました。押入れの奥行きは、一般的に80~90cm。布団を入れるのに、ぴったりな奥行きです。 とはいえ、その奥行きを使いきって収納するのは難しいもの。以前の家では、押入れに収納ケースを設置するなどの工夫をしたものの、取り出しやすさは改善せず。押入れの中のものは、出すのもしまうのも面倒くさくて、「使いにくいな」と感じていました。 そのため、今の家を建てるときは「押入れサイズの収納は要らない!」と考えていました。しかし、収納計画を立てるうちに、押入れサイズでないと、収納できないものがあることに気がついたのです。 そこで、1階客間と2階の階段上に、奥行きが押入れサイズの収納を設置。おかげで、すべてのものをしまえるようになりました。 以下に、筆者が不要と思っていた奥行きが深い収納スペースを、どのように間取りに取り入れ、活用しているかをご紹介します。
収納するのに奥行きが必要なものは意外とある
筆者は、間取りがある程度できてきた段階で、収納計画を立てました。全収納スペースの断面図(写真)を書いて、なにをどこに収納するかを検討したのです。 そのとき、「大きいもの」もリストアップしました。収納するときに、幅もしくは奥行きが約50cm以上必要なものです。 「約50cm」の理由は、この間取り上のクローゼットの奥行きが約60cmだから。リストアップすることで、クローゼットに入らないものが把握できました。さらに「奥行きが深い収納」が必要という気づきも生まれることに。 問題を解消するため、1階と2階に以下のようなものを収めるための、深い収納を設置することにしました。1階と2階、それぞれに分けたのは、「収納スペースは、使う場所にないと片づけない」ということがわかっていたからです。 <1階> ・来客用敷き布団(セミダブル1枚) ・来客用羽毛布団(シングル2枚) ・来客用枕(2人分) ・ひな人形 ・兜飾り(五月人形) ・クリスマスツリー ・ワンタッチテント <2階> ・羽毛布団